11話
(博音side)
さとり「プール行こうよ、もしくは海。」
零「唐突だな。」
博音「いつものことだがな。」
さとり「海行きたいー、プールでもいいー。
とりあえず泳ぎたいー!。」
零「お前そんなに泳ぐの好きだったか?」
さとり「否、ただ暑いだけ。」
零「じゃあクーラーの効いた部屋で寝てろ。」
さとり「酷い!」
零「そんなに酷くねぇよ。」
て言うか暑いならもっと暑い思いして外に出る必要性ないだろ。
それこそクーラーの効いた部屋で寝てろよ。
さとり「だってかき氷食べたいー!」
零「お前の家かき氷機あったろ、あれで作れよ。」
さとり「最近泳いでないから絶対泳ぐの下手になった!」
零「来年の夏に授業でしか誰も泳がねぇから一緒だ。」
さとり「ぐぬぬー。」
「乙女心がわかってないなー」とブーブー批判するさとり。
どんだけプール行きたいんだよ。
零「行くなら1人で行け。俺たちは行かないからな。」
さとり「ならいいよ、私も行かない。」
お前、俺らのこと大好きかよ。
まあ、幼馴染みとしてだろうけど…。
さとり「じゃあ3人でかき氷作ろー。」
かき氷は譲らねぇんだな。
博音「ブルーハワイ。」
零「嫌、お前もかよ。俺パイン。」
さとり「3人でって言ってるでしょ。何私だけに作らせようとしてんのさ。」
博音「冗談だ。」
零「シロップあんのかよ。」
さとり「大丈夫、全種類買い揃えてある。」
零「準備万端だな。」
さとり「あー、そう言えばさ。」
氷を削りながりさとりは俺たちに話しかけた。
さとり「かき氷のシロップの材料は基本的に果糖ぶとう糖液糖で、イチゴに近い香料とイチゴに近い色を加えるとイチゴシロップに、メロンに近い香料とメロンに近い色を加えるとメロンシロップになるらしいね。つまり、シロップに使われるベースの味は同じで、違いは色と香りだけみたい。同じ味のシロップなのに違う味に感じてしまうのは、脳の錯覚だとも言われてて、人は目の前にある食べ物の色や香りで、「こんな味に違いない」と思い込んでじゃうらしいよ。イチゴシロップの場合だと、舌で感じる味そのものよりも、「イチゴは赤い」「イチゴは甘酸っぱい香りがする」など、視覚や嗅覚のほうに頼る割合のほうが大きいって言われてるしね。」
お前のその雑学は、一体どこから来てるんだよ。
零「つまり目隠しして食べればどれも同じと…。」
博音「そう言うことだな。」
さとり「はい、ブルーハワイとパインできたよ。」
目の前に、シロップのかかったかき氷だ出された。
零「お前は?」
さとり「苺。」
博音「王道だな。」
さとり「それが一番。」
零「っ~、キーンと来た…!。」
勢いをつけて掻き込みすぎたか。
博音「ちなみに、アイスクリーム頭痛の原因は冷たいものを食べた際に口腔内の温度が急激に低下し、反射で体温を上昇させるため頭に通じる血管を膨張させて血流を一時的に増大させ、それにより頭の血管に一時的に炎症が発生して頭痛を引き起こすからだ。」
さとり「もしくは冷たい物が口腔、喉の背側を通過することによって、口蓋の三叉神経が刺激されて、この時に発生する伝達信号を脳が勘違いして、関連痛として頭痛が発生するらしいよ。」
零「お前ら、よくそんな長ったらしいの覚えられるよな。」
さとり「興味があれば基本覚えられるよー。」
博音「ああ。」
お前らは頭脳がもうチートだもんな。
もう、俺はツッコまねぇ。
さとり「ちなみに、アイスクリーム頭痛の予防としては『ゆっくり時間を掛けて食べること』だね。ゆっくり時間をかけて食べることで、喉が冷えるスピードが抑えられて、神経の刺激や血管の膨張が緩やかになるよ。それによって『アイスクリーム頭痛』が起きにくくなるみたいだよ。研究の結果でも、アイスクリームを急いで食べたときはゆっくり食べたときよりも2倍以上、頭痛の発生する確率が高いことが分かってるみたい。」
零「頭がこんがらがって逆に痛くなってきたわ。」
さとり「零の好きな科学分野じゃん!」
零「そんな雑学聞いても嬉しくねぇよ。」
「折角教えてあげたのに!」と怒るさとりを無視して残りのかき氷をゆっくり食べる。
おお、さっきより頭痛来ねぇ。
さとり「あれ?もしかして、ゆっくり食べてる?やっぱり気にしてるんだー。なら教えて良かった。」
不意打ちに笑うさとりに、思わず胸がドキリと高鳴る。
それは、流石に狡いだろ…。
さとり「?零?」
零「何でもねぇよ。」
言えない思いに蓋をして、そして俺は無理に笑ったんだ。
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