12話

さとり「肝試し行こー!」


零「泣くなよ?」


さとり「泣くわけないでしょうが!」


博音「フ、闇の饗宴に大魔王である俺を呼ぶとは…中々いい心掛けではないか」

(訳:肝試し物凄い楽しみだ。)


零「また訳わかんねぇこと言ってやがる…。」



零が、博音に冷ややかな目を向ける。



さとり「私はこっちの博音くんも好きー。」



さとりはいつも通りニコニコしている。



店員「お次の方、どうぞ~。」


さとり「あ、はーい。」


博音「ほう、中々本格的だな。」


零「て言うか血多すぎだろ、いくら偽物だとしても…。子供が見たらトラウマレベルだぞ。」


さとり「教育上親が見させないんじゃないかなー。私としてはもうちょっと生首とか血とかあった方が好みかなー。」


零「はぁ、また発動しやがったよサイコパス。」


さとり「サイコパスじゃありませんー。ちょっと一般人と価値観がずれてるだけですー。」



べーっと舌を出してさとりは零を睨み付けた。


博音「妙に寒いな…。」


さとり「雰囲気が作れるようにお店が側が調節してるのかもねー。」


零「お前、そんな薄着で寒くないのかよ。」


さとり「全然?。」


零「マジかよ…。」


さとり「めちゃくちゃ寒い。」


零「それを世の中では全然って言わねぇんだよ。」


さとり「いった~><」


博音「無理はするなよ。」


さとり「紳士!」


零「お前ひょろひょろだから絶対冬しんどいだろ。」


さとり「うん、すーっごく寒い。寒すぎて凍っちゃう。」


零「気を付けとけよ。」


仕掛人「(あー、リア充感ただよってる脅かしたくねぇ~~~。)」


仕掛人「うらめしや~」


零「ギャァァァァァァ!!!」


さとり「ビクッ。」


博音「ククッ,魔王である俺に仕掛けようなど…。」


仕掛人「(この人たちキャラ濃いな)」


さとり「もー、君の声にビクッたよー。て言うか零が一番怖がってるじゃん。」


零「べ、別に怖がってねぇよ!」


さとり「足が生まれたての子鹿みたいになってるけど。」


零「なっ!?。」


さとり「めっちゃ怖がってるじゃん。」


博音「ククッ,闇の饗宴…。」


さとり「博音くんはどんだけ闇の饗宴好きなのさ…。」


仕掛人「憎い、憎い憎い憎いいい!」


零「」


さとり「おーい、零~?( ̄▽ ̄;)」


博音「気絶してるな。」


さとり「まーじか。博音くん、ちょっと零運ぶの手伝って?」


博音「ああ。」


さとり「幽霊ってさ、いると思う?。」


博音「ああ。全てを信じている訳ではないが。」


さとり「私もそうだよー。全部は信じてない、実際見たことないしー、百聞は一見に如かずだからねぇ。」


博音「その通りだな。」



さとりと博音は幽霊についてのマシンガントークを続けた。

2人はとても楽しそうに肝試しを満喫した。

無論、零は気絶したままであるが。



零「ん、んん…。あれ?さっき化け物でた気がしたんだが…。」


さとり「うらめしやー。」


零「ビクッ」


さとり「やっぱビビってるね。」


零「………(幽霊じゃなくて良かった)。」


仕掛人?「あの、」


さとり「?はい。」


仕掛人?「うらめしや~」


零「ウギャァァァッ!?」


博音「零、落ち着け。偽物だ。」


さとり「ほら先進むよー。後ろ詰まっちゃうから。」


仕掛人?「………。」




        ・・・・・



さとり「それにしても、最後の人声掛けてから脅かしてきたから全然怖くなかったねー。

零は叫んでたけど。」


零「うるせぇ。」


博音「あれはいきなり出てくるべきだったな。」


店員「面白かったですか?お帰りはお気をつけて。」


さとり「あ、はい。特に最後の人が(笑)。」


店員「最後?」


博音「ええ、声をかけてきてから脅かしてきて…。」


店員「可笑しいですね…。うちの仕掛人は、全員何処から出てくるかとか、いつ脅かすかとかランダムですし…。最後らへんは、あまり仕掛人はいないはずですけど…。」


3人「「「え」」」



店員の言葉に、3人が固まる。

そして、さとりは笑顔をひきつらせたまま、口を開いた。



さとり「じゃあ、今の人は…?。」


3人「「「…。」」」


仕掛人?「フフフ、お気をつけてぇ~。」


3人「「「ギャァァァァァァ!!!」」」





そのあと、お化け屋敷に3人の叫び声がこだましたのは言うまでもない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る