5話
さとり「このストラップ可愛い」
零「いや、どう考えても可愛くないだろ。」
さとり「えー?何で?」
零「寧ろ気色悪いだろ。なぁ、博音」
博音「ククッ,こんな形で出会うとはなぁ?我が友クラーケンよ。」
零「それただのタコの人形だろうが。」
博音「フッ、俺にはわかるのだ。これは前世での我の友であったクラーケンだ、とな。」
零「じゃあもうそれ買えよ。」
さとり「クラーケンってタコの姿の悪魔だよねー?中世から近世にかけてノルウェー近海やアイスランド沖に出現したって言われてるやつ。」
博音「さとり、分かっているじゃないか。その通りだ。」
さとり「何気に本いっぱい読んでるからね~。
悪魔とかそう言う知識もあるよー。」
零「何でもいいからちゃっちゃと買って帰るぞ。門限7時30分までなんだ母さんに怒られる。それに今日父さんも母さんも居ねぇから
晩飯作るの俺なんだよ。」
さとり「あ、じゃあ私零の家行くよー」
零「な、何でそんな解釈になるんだよ!」
博音「俺も行こう。」
さとり「だって零だけだと心配だし?
それよりこのヘアピン可愛くない?」
さとりが手に持っているのは可愛らしいヘアピン。
白い貝殻き青いパールと桜の飾りがついている。
零「いいんじゃね?シンプルだし綺麗だし。」
博音「ああ、さとりの雰囲気に良く合っている。」
さとり「じゃあこれ買おうかな。あと海の生き物クッキーとヒトデ型ゼリー。」
零「そんなに食うと太るぞ、って痛ってぇ!」
零のデリカシーのない発言に、さとりは冷ややかな瞳でチョップを食らわせた。
さとり「デリカシーのない男、サイテイ。」
博音「そうだぞ零。淑女に太るは禁句だ。」
零「はぁ?淑女なんて柄かよって痛てぇ!。」
さとり「女子を馬鹿にする男、サイテイ。」
零「本当のこと言ったまでだろうが!」
さとり「あーそうですか。零からすれば私は女性っぽくないと。へー。」
明らかに不機嫌そうにツーンとしながら、さとりは零に言葉を返した。
零「あー、悪かったって。」
さとり「どうせ思ってないんでしょ、言葉だけの謝罪はいらない」
零「真面目に悪かったって。」
さとり「本当に悪かったって思ってる?」
零「ああ、思ってる。ッ////」
さとり「零?Mr.零~?」
さとりは身長が高い方ではあるが、男である零の方がやはり高い。
つまり、身を屈めているさとりが零を見つめる体制は、無自覚で上目遣いになっている訳で。
健全な高校男児たるもの、ときめか無い訳がわない。
さとり「変なの…。まあいいや、これ買ってくるねー。」
博音「ああ、俺も行く。」
零「」
そして、未だ放心状態の零は、会計を終わらせて帰ってきたさとりに三度目のチョップを食らうのだった。
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