2話

さとり「魚…」


零「食うなよ?」


さとり「食べないよ!失礼だなぁ…」


博音「地下に眠る魚たちの共演…これも魔王としての宿命」

(訳:水族館楽しい)


さとり「博音君相変わらずだねぇ~」



3人は今、水族館に来ていた。


デートの話から行く場所を決めることになり、全員一致で水族館となった。


さとり「水族館って神秘的だよねぇ…青でいっぱい」


零「そうだな」


博音「それより、そろそろショー始まるんじゃないか?」


さとり「あ、ホントだ」


さとりが二人の手をとる


2人「「!?」」


さとり「行こ、席埋まっちゃう」



そのまま走り出したさとりに、2人はコケないようにしながら着いていった。




inイルカのショー



さとり「イルカ凄い」


零「語彙力低下してんぞ」


博音「イルカ凄い」


零「お前もか」


さとり「凄いものは凄いよー?だってあんな風に背中反ってるし…ジャンプも綺麗だし」


零「お前イルカ大好きかよ」


さとり「嫌いじゃないけど好きじゃない」


博音「2つに分裂する心の闇、それはどちらが正しいのか…」

(訳:好きなの?嫌いなの?どっちだ?)


さとり「簡単に言えば普通」


博音「さとりはいつも普通で解決するよな。」


零「お前には好きなものとか無えのかよ」


さとり「私が好きなのは2人と甘味だよー」



イルカから目を話さずにさらりと言うさとりに、2人は少しだけときめいた。


それを悟られぬよう、零は帽子を深く被る。


博音は手を頭にのせ悩むように見せながら顔を隠す。


耳が赤いのは隠しきれていないが。


さとり「何か、変な気持ちだなぁ~、こうやって3人で遊ぶの。高校に入ってあんま喋れてなかったし…」



さとりの瞳に影が写る。

人が苦手で、零と博音以外と喋らない。

否、喋れない。

過去に何があったのか分からないが、何となく察していた。



零「腹減ったし、レストラン行くぞ。」


博音「そうだな。」


零と博音が手を差し出す。

さとりはその手の意味がわからないのか、きょとんとしながら2人の手を眺める。


さとり「?」


博音「手、握らないのか?」


さとり「!…握る!」


零「レストラン混むぞ。」



2人の手を握りながら、さとりはふわりと微笑んだ。




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