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[暖かくなるまで待てないのかしら]

アユミは佐々木に呆れ顔で言った。

[男の思春期を舐めたらいかんな]

佐々木は苦笑いしながら答えた。

[松浦も凄いわね]

[彼も思春期なんだろう]

[でもセックスだけは絶対にしないわよ]

[分かってるさ]

佐々木とアユミはほぼ同時にため息を吐いた。


調理場でお湯を沸かし手作りの風呂にどんどん汲み足す。調理場は湯気で暖かくなる。

[先に入ってて]

とアユミは二人に言う。見間違いかもしれないが松浦とユウキは仲が深まってるように見えた。

ユウキと松浦が腰にタオルを巻いて風呂に入る。

[身体しっかり洗ってから入って]

アユミが大声で言う。二人仲良く大きな返事をする。

佐々木が大声で笑う。こんな大きな声で笑ってる佐々木をアユミは初めて見た。


アユミは水着に着替えて調理室に入った。最初に口にしたのは松浦。

[約束が違う]

[混浴は水着が当たり前じゃない]

アユミは言われるだろう返事を言った。

ユウキもなにか言ってる。が小さくて聞き取れない。言いたい事は松浦と似たようなもんだ。

[脱いでもいいわよ。その代わりそのタオルをよこしなさい]

松浦とユウキは顔を見合わせる。が、二人ともそのまま動かない。

[俺も入っていいかな]

と佐々木。振り返ると佐々木は丸裸だった。タオルも無い。下腹部は膨らんでなかったが立派だった。

[タオルないよ]

ユウキが父親を見て言った。松浦が[そうだ。そうだ]と追従の言葉を言う。

[あんた達は取ってないじゃん]

アユミは返し、ユウキのタオルを取ろうとする。ユウキはタオルを押さえて[辞めてよ。エッチ]と言って風呂に深く潜った。アユミは松浦を見る。松浦も慌てて風呂場に潜る。


[猿が二匹居るわ]

アユミは何回ついたか分からないため息をまた吐いて言った。

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