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使える部屋は少ない。事務所と従業員の更衣室。トイレの手洗い場。トイレは窓から土砂が入って使えなかった。

手洗い場は風呂場になった。

他は広売り場と食事スペース。調理場。

売り場と食事スペース、そして自販機コーナーはガラスが割れて野外と変わらない。


松浦がたまに自慰をしてるのをアユミは知っていた。が、ユウキもしていた事に少し驚いた。

ユウキが風呂を覗いてるのもアユミは知ってしまった。

松浦はどちらかといえば心配はしていない。覗く度胸はなく、せいぜいアユミが捨てた下着を拾って隠すくらいだ。

佐々木は分からない。が、女に困るタイプでないから多分、セックスにタンパクなのだろう。

アユミ自身、セックスは嫌いではない。だが快楽よりも妊娠する恐怖がうわ回る。それに今まで何回か犯されるようにやられてきた。


しかしユウキには困った。まだ小学生。誰に教わったのか、それとも男の本能か。

佐々木に相談すべきか。アユミは悩んだが相談できないままになった。


ユウキは徐々にエスカレートしていき頻繁に覗くようになる。

佐々木もユウキが風呂を覗く事を知ってるはず。が黙認してる。

ユウキはエスカレートしていき、アユミのトイレすら覗くようになった。

これにはさすがに辞めて欲しかった。

佐々木も感じたらしく個室トイレを作る。それでもユウキには言わない。


安心と余裕が出来ると違う不安や問題が発生する。


ユウキは知られてる事に気付かないらしく、お姉ちゃんと一緒にお風呂に入りたい。とオズオズながら言い出した。

アユミは佐々木を見た。佐々木は少し沈黙したが、

[アユミ次第だが、母親として入ってくれたら助かる]

とユウキの味方をした。アユミは心の中で一つため息をつき、

[みんなで入ろう]と答えた。

半分ヤケだったが松浦がユウキに嫉妬するだろうし佐々木…父親がそばにいればユウキの抑止力にもなる。

裸を見られるくらいは平気だった。が切り札として取っておきたかった。


松浦とユウキのスケベパワーは凄かった。寒い最中に外で大きな風呂桶を作り始めた。軽トラックの荷台を外している。そこに大きなビニールシートを敷きお湯を張るらしい。

これには、それを見ていたアユミと佐々木は苦笑いを隠せなかった。

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