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やはり綺麗な女の子は苦手だ。と松浦は再確認。
再びエロ本を取り出す。が性欲は湧かない。
これからどうしようと考える。
二人分の食料。一気に倍減ってく事になる。乾電池も減る。
そうかといって、出て行けとも言えなかった。俺と似たような名前なのも頭から離れない。
どうしていいか分からない。答えは出てこない。
早くあの三人が死んでくれないかな。
松浦は思考を変えて自分を誤魔化した。
面倒事を考える。鉄板の引き上げとゾンビの駆除。食料の調達。栗拾いと山芋探し。アユミは手伝ってくれるのだろうか?
「あ、調味料も倍無くなるのか」
独り言を言い、町に行かなくてはならないのか。と思った。
「とりあえずは栗拾いだな」
松浦の独り言。
やる事が決まれば考え込まなくて済む。
松浦は何回読んだか分からない歴史小説を読み始めた。この本は読むとすぐ眠くなるのだ。
松浦は目覚めた。いつの間にか眠ってしまい懐中電灯を点けたままだった。
「あぁもう」と自分を叱責し、音を立てずにドアを開ける。窓の外は真っ暗。真夜中だった。
かなり肌寒くなっている。アユミは大丈夫か心配になったが、どうする事も出来ない。
明日、もう少し毛布を持っていってあげようと考える。
目は冴えていたが再び布団に潜った。
明日こそは栗拾いをするぞ。と強く思い、それに必要な道具を考え始めた。
松浦は再び眠った。
アユミが起きたのは朝。
真っ暗だし、一瞬ここが何処だか分からなかった。布団の中で寝たのも久しぶりで、柔らかさと暖かさに幸せを感じた事に呆然とした。
確かに今までに比べると清潔な風呂に安全な場所。水の心配もしなくて済む。それは幸せな事だった。
誰にも教えたくない。誰にも邪魔されたくない。松浦が出て行け。というのも納得出来る。
松浦から色々聞こうと思った。全て聞いた後は?アユミは自問した。
一生、松浦と過ごすのは考えたくない。だからといって殺す事なんて出来ない。
男が優しくしてくれるのは私が綺麗で若いからだ。三十年後は?簡単に切り捨てられるだろう。
若いといっても二十三歳。肌のケアを全くしてないから手も顔も荒れている。
暇な時はお風呂に入ろう。アユミはそう思って起き出した。
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