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男達に脅されていたのか、どういう関係なのか分からなかったが、どうでもよかった。

ただ、助けてあげて。とか卑怯とかギャーギャーうるさく言われないのがよかった。


女の子は松浦の隣の床に座る。

松浦は向こうのイスを指差して言った。

「床、冷たいから」

女の子は素直に指差したイスに座った。

女の子は空気を読むのに長けていた。


松浦は一人になりたかったが安心出来ない。女の子にはそばにいて、何もせず何も話しかけないで欲しかった。

実際、女の子はそばにいるだけで動かず一言も言葉を発しなかった。


やっぱ何も考えたくない松浦は立ち上がった。

「悪いけど少しだけここに居てくれないかな」

松浦は部屋を開けた。この部屋も倉庫で窓がない。ネズミ対策でダクトも簡易だが密封してある。

中には食料や薬品。衣類を置いてある。


「今は何も考えたくないから」

頭の中の痛みが酷くなってきた。

「部屋はカギかけるけど内側からも開くんだ。でも俺は死にたくないから、一応ドアの下で寝るよ。ダクトからも出られるけどね」


「なんで私だけ?身体欲しいの?」

「いや、君は綺麗過ぎて抱けないかな」

松浦はもう自分が何を言ってるか分からないくらい疲労が溜まっていた。

思った事をそのまま口にしただけだった。


「トイレは悪いけどドア叩いて。でも起きれなかったらごめん」

そう言って松浦は部屋を出てドアを閉めた。


眠気と頭痛でフラフラしながら布団を彼女のいる部屋のドアの所まで持ってきて、布団をかぶる前に気を失うように寝入った。

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