遭遇の可能性
3ターン目の移動もそれぞれが行い、4ターン目を迎えた。
4ターン目はキーポイントになるターンだ。
今までは侵入者がいるマップの左側と、生徒がいるマップの右側は離れていた。
しかし侵入者が直進してきたら4ターン目で生徒がいる右側に入ることができる。
最悪4ターン目で侵入者に捕まってしまってゲームオーバーがあり得るのだ。
侵入者が直進してきたと予想して、こちらは違う道を進んで校門を目指すこともできるが、その勇気が持てない。
『中庭』にいるカナが聞いてきた。
「どうする? 上から行っちゃう? さっきプールには居なかったんだから、上から真っ直ぐ突っ切れば逃げられるかもよ?」
お嬢様っぽい正統派の綺麗さのユアに対して、カナは今時の可愛い子といえる容姿をしていた。髪も綺麗な茶色に染めている。
は虫類系のナナミとギャルのアスカとは・・・と、少し卑屈になってしまうくらい二人とも可愛かった。
カナはそうは言ったものの、やはりいきなり捕まるリスクを取りたくはなかった。
一端後ろに下がって同じ部屋に戻ることで、4ターン目でまだ侵入者が入って来られない『3―B』の教室に戻った。
「ねえねえ。みんな同じ部屋に集まって、捕まったとしても全員で一緒がよくない?」
アスカが泣きそうな声で提案してきた。
このゲーム施設を知って、ノリノリで参加を提案してきたくせに一番びびっている。
それくらい感情移入が出来るからこそ、このゲームのファンになったということもありそうだが、多分ゲームの世界が実在しているかのような空間が、想像以上に恐怖をかき立てているのだろう。
4ターン目で使えるアスカの特技は、それどころではなかった。
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