[再掲]SS 初めてのラブレターを書く幼馴染百合
私は、幼馴染宛に初めての恋文──初めてのラブレターを書く。
幼少中とずっと一緒だった幼馴染宛に、ずっと一緒だったからこそ好きになったし、ずっと一緒だったからこそ気持ちを伝えるのが、怖くて、忘れてて、今更になるけれどラブレターを書く。
『こんにちは、突然こんな手紙を送ってしまってごめんね。今時手紙なんて古くさいってあなたは言うかもしれないね。だけど私は良いと思うんだ──手紙。ちゃんとその人の文字で、その人が伝えたいことを書いてるっていうのが、伝わってくる感じ? それが手紙の良いところだって私は思うよ。こんな説明をしてもあなたは、古くさいって言うのかも。かもじゃないね。絶対言うねあなたは(笑)。まぁこんな前口上は特に意味があるわけでもないんだけど、この手紙で伝えたいことを今から書くね。
幼少中と私たちってずっと一緒にいたじゃない? いっぱい思い出も作ったし、喧嘩もしてその度に仲直りして、その度にもっと仲良くなって、そんな毎日が私は好きだった──そんなあなたが私は、好き。だった。
口で言う勇気もない私だけれど、もしこの手紙を読んでいてくれたらそれだけで、私は嬉しいよ。
〜あなたの大親友〜より
』
私は涙で所々が滲んでいるその手紙を、折って便箋に入れた。
そして家を出た。
徒歩数分の所にある幼馴染のお墓の前で、涙を流しながら手を合わして、今日書いた手紙をお墓に置いて、言った。
「もっと早くにこの気持ち伝えてたら、あなたは死ななかったかな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます