[再掲]SS 初めてのラブレターを書く幼馴染百合

 私は、幼馴染宛に初めての恋文──初めてのラブレターを書く。

 幼少中とずっと一緒だった幼馴染宛に、ずっと一緒だったからこそ好きになったし、ずっと一緒だったからこそ気持ちを伝えるのが、怖くて、忘れてて、今更になるけれどラブレターを書く。


『こんにちは、突然こんな手紙を送ってしまってごめんね。今時手紙なんて古くさいってあなたは言うかもしれないね。だけど私は良いと思うんだ──手紙。ちゃんとその人の文字で、その人が伝えたいことを書いてるっていうのが、伝わってくる感じ? それが手紙の良いところだって私は思うよ。こんな説明をしてもあなたは、古くさいって言うのかも。かもじゃないね。絶対言うねあなたは(笑)。まぁこんな前口上は特に意味があるわけでもないんだけど、この手紙で伝えたいことを今から書くね。

 幼少中と私たちってずっと一緒にいたじゃない? いっぱい思い出も作ったし、喧嘩もしてその度に仲直りして、その度にもっと仲良くなって、そんな毎日が私は好きだった──そんなあなたが私は、好き。だった。

 口で言う勇気もない私だけれど、もしこの手紙を読んでいてくれたらそれだけで、私は嬉しいよ。

 〜あなたの大親友〜より

 』


 私は涙で所々が滲んでいるその手紙を、折って便箋に入れた。

 そして家を出た。


 徒歩数分の所にある幼馴染のお墓の前で、涙を流しながら手を合わして、今日書いた手紙をお墓に置いて、言った。


「もっと早くにこの気持ち伝えてたら、あなたは死ななかったかな」

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