SS 楽しいがわからない幼馴染百合

 時々考えてしまう。

 楽しいってなんだろう。

 楽しいがわからない。

 楽しいと思えることが、何もない。

 人生が楽しくない。

 楽しいことがないのに、生きている意味ってあるのだろうか。

 死んだら楽になれるのだろうか。

 なんていうことを時々考える。

 だけれど私がいつもそんな風に卑屈になっていると、必ず隣で言ってくれる幼馴染がいた。

「大丈夫、わたしが必ず楽しくしてあげるから」

 幼馴染は私の手を覆うように握って、優しく安心させるように言ってくれる。

 その度に私は、思う。

 この幼馴染のためにもう少しだけ、生きてみようと。

「いつもありがとう」

 そう言って私は、幼馴染にお礼でキスをするのだった。

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