第45話 とあるメタル系モンスターと嘘つき人間

メタルL「知っているか? 最近人間による

     メタル狩りが流行っているそうだ」


メタルI「メタル狩りだと? それは何だLよ」


メタルA「俺も聞いたことがあるぞ。Iよ。

     俺達を倒すと大量の経験値が手に入るゆえ

     俺達を優先的に刈っている人間がいると」


メタルR「にわかに信じられんな。Aよ。

     俺達の硬さ及び素早さは天下一だ。

     そう簡単に刈られるとは思えんが」



メタルL「その通りだ。Rよ。だがこれは残念

     ながら事実だ。B,Dなど若い数値は

     やられてしまったのだよ」


メタルI「Aよ。お前は大丈夫だったのか?

     若い数字の生き残りはお前だけのようだが」


メタルA「ふん。俺はそのようなヘマはせんよ」


メタルR「だが注意はした方がよさそうだな。

     一人で森をうろつかない方が良かろう」



メタルL「そういうことだ。この食事を終えた後、

     普段は解散するところだが、しばしの間

     俺たちは一塊で動いた方が良いだろう」


メタルI「賛成だ。うむ、食事を終えた。

     ではどうするか?」


メタルA「俺の隠れ家に行こう。ちょっとした洞窟だが

     あそこならば、不審者の侵入にすぐに気付ける」


メタルR「承知した。では早速向かうしよう」



======================



メタルL「なるほど。この洞窟ならば、確かに

     不審者の侵入がすぐに検知できるな」


メタルI「しかり。人間よ。来るならば来るが良い。

     返り討ちにしてくれる」


メタルA「これまで幾人の仲間が刈られたのだ。

     たかが人間とは言え、油断するでない」


メタルR「そう気を張るな。人間など、この俺が

     軽々と始末してくれる」



メタルL「Rよ。それは死にフラグだ」


メタルI「同士よ聞いてくれ。俺はもうじき結婚するんだ」


メタルA「Iよ。それも死にフラグだ。

     ところで一人きりでトイレに行ってもよいか?」


メタルR「死にフラグのオンパレードだな。

     だが下らん。死にフラグなど人間の戯言よ」



メタルL「確かに。俺たちは誰一人死にはしない。

     フラグなど馬鹿な迷信に過ぎぬと証明しよう」


メタルI「その通りだ。俺たちは――うっ、バタ!」


メタルA「どうした? I……ん? まさか」


メタルR「Iが……し……死んでる」



チャラチャラチャッチャッチャー♪



メタルL「な、何だいまの音は?」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA「こ、これはレベルの上がる音だ。

     Iが倒された故、誰かがレベルアップしたのだ」


メタルR「ま、まさか、噂の人間の仕業か?」



メタルL「馬鹿な! 人間などどこにもいないぞ!」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA「これは……まさか人間の奴、俺達の

     誰かに化けているのではないか!?」


メタルR「変化の術か!? た、確かに……

     レベルアップの音はすぐそばで聞こえた。

     人間がすぐ近くにいる証拠だ」



メタルL「だ、誰だ!? 誰が人間なんだ!?」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA「俺は違うぞ! お前達二人のうち……

     う、があ……バタ!」


メタルR「Aよ!? どうしたのだ! これは……死んでる?」



…………



メタルL「こんな……Aまで」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR「こんなことが……だがこれで、

     誰が人間かはっきりしたな」



メタルL「……お前まさか、俺が人間だというのか?」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR「俺でなければそういうことだ!

     おのれ人間め! よくも仲間達を!」



メタルL「ふざけるな! 貴様こそ人間だろう!

     仲間の敵討ちをさせてもらうぞ!」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR「なんと白々しい! 成敗して――」



メタルL「……な、なんだ!? どうした!?」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR「ぐ、まさか……こんな……ごは! バタ!」



チャラチャラチャッチャッチャー♪



メタルL「R!? そんな馬鹿な! どうして!?」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR(返事がない。どうやらただの屍のようだ)



メタルL「ど、毒だ。さっきの食事に毒が混ぜられていたんだ。

     だがどういうわけだ。どうして人間の姿がない?」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR(返事がない。どうやらただの屍のようだ)



メタルL「レベルアップの音はすぐ近くから聞こえた。

     人間は遠くにいない。近くにいるはずだ。

     それなのになぜ姿が見えないのだ!?」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR(返事がない。どうやらただの屍のようだ)



メタルL「……待てよ。レベルアップの音だと?」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR(返事がない。どうやらただの屍のようだ)



メタルL「……俺達は大量の経験値を持っている。

     一人倒せば最低でも1LV以上は上がるはず」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR(返事がない。どうやらただの屍のようだ)



メタルL「なのにおかしいぞ」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR(返事がない。どうやらただの屍のようだ)



メタルL「俺達の中でただ一人……殺されたというのに

     レベルが上がらな――ぐっ!? ごは!!」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR(返事がない。どうやらただの屍のようだ)



メタルL「わ、分かったぞ……人間は……俺たちに化けていた

     人間は……おま……え……バタっ!」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR(返事がない。どうやらただの屍のようだ)



メタルL「……」


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルR(返事がない。どうやらただの屍のようだ)



チャラチャラチャッチャッチャー♪



メタルL(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルI(返事がない。どうやらただの屍のようだ)


メタルA(返事がない。どうやらただの屍のようだ?)


メタルR(返事がない。どうやらただの屍のようだ)

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