"びちょびちょおじさん"である所以

日々、社会の中で同じような生活習慣をしていると、「決まった時間に決まった人に会う」ことは珍しくありません。
しかし「その人がなぜその時間にそこに居るのか」までは、毎日すれ違う程度では分からないものです。

そして、本当はもっと多くの人と毎日すれ違っているのかもしれませんが、印象の強い人だけが記憶に残っているのかもしれません。
"びちょびちょおじさん"のように目立つ行動をしていれば、きっと他にも見ている人はいるはず。
そうして証言を合わせていくことで、点と点が繋がって一本の線に――

……なるよりも先に、"後藤くん"に手っ取り早く理由を聞きたくなる、そんな作品でした。

◆追記
読解力が足りていませんでした。
"びちょびちょおじさん"の話している内容から推察して、後藤くんはもしや……

主人公が彼を見かけなくなった理由が、諦観より和解の方向であってほしいものです。