みんな、何かしらのコロ助をつくったよね
星を送りたいのですが、どんな言葉を送りましょうか…評価が難しいですが、コロ助、ドラえもんより好きな私は、やっぱりこの作品が好きです。
なんだか程よい加減で共感して、笑いあり、切なさあり、衝撃ありのジェットコースター作品でした。これが実話というのだから、若き日の少年たちがとても愛おしくなりました。
こんな話、もしも飲み会の席とかで友達から聞いたら、わたしはきっと前のめりになって聞いてしまいますよ^ ^
題名:Yくんとコロ助を作った話
作者:梶野カメムシ
https://kakuyomu.jp/works/16818093085341759789
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時代は1985年頃、ということで、私もうすぐ生まれます笑。作者さま(梶野少年と呼ばせていただきます)が中学生のときのお話。
コミュ障で友人の少なかった梶野少年は、漫画「キテレツ大百科」の中に出てくるコロ助というロボットを実際に作りたいというYくんの誘いに乗り、漫画内に載っていた設計図を元に、部品を集めたり、なんやかんや奮闘するが…というあらすじです。
キテレツ大百科、私はアニメの再放送かな…けっこう好きで見ていたので、懐かしいです。主人公のキテレツが家にあった道具を集めてコロ助を作るシーン、すごく覚えています。確か頭はボールだったなぁ…。ドラえもんと違って子供が身近な材料をかき集めて作った感が出ていて、Yくんが実際に作りたくなっちゃう気持ちはわからないこともない。
学年トップで頭の良かったYくんと梶野少年を繋いだきっかけが「コロ助」だったことも面白いですし、本気でコロ助を作れると信じているYくんの自信家なキャラや、本心では無理だと思っているのにYくんに協力する梶野少年の思惑と心情の揺らぎが、読んでいてハラハラしますし、胸をチクッとさせる瞬間があります。
ジュブナイル映画に見るような、一夏の魔法が、夏の終わりとともに解けていく感覚が、何も知らなかったYくんを少しずつ知っていく毎に明確になっていく。
それでも、純粋な少年二人は始終、魅力的でした。Yくんの研究室のような部屋や廃材から部品を探す道中など、きっと大人になってからでは味わえないワクワク感がそこにあったと、文章から伝わってきます。
梶野少年とYくんはこの後、些細なやり取りがきっかけで仲違いをしていまいます。そこからの展開は、ぜひ本作を読んでいただきたいのですが、ラストはかなり衝撃的ですよ。
梶野少年は、Yくんに幻滅されたくない、という気持ちがずっとあるように感じます。だからこそ生じてしまった二人の距離は仕方のない結果かもしれません。
これがもしもフィクションなら、何年も後に再開した二人は本当にコロ助のようなロボットを発明してしまう、といった展開も熱いでしょう。その間にどんな人生を歩んだのか気になってしまうほど、二人とも魅力的なキャラクターだと思います。
本作は後日談がありまして、その後のYくんに少しだけ会うことができますが、Y少年が盲信的で自信家のままだったことに、納得のような安堵のような不思議な気持ちで居た堪れなくなりました。苦笑い…^ ^
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