星々が別つ二人の世界は只々、美しい。

題名:夜もすがらに咲き誇る

作者:mk*

紹介文より抜粋:

「惑星βが地球と呼ばれていたのは遥か昔のことだった。

フラスコベビーとして生まれたナオは、キンカに誘われて海岸線へ行く。宇宙空間の交信を拾い上げる【彗石ラジオ】を作り出したキンカ、夜にだけ咲く花を観察するナオ。二人は大人になり、忙しなくも穏やかな日常を送り始める。


そんな或る日、惑星βに危機的状況が訪れる。」


https://kakuyomu.jp/works/16817330659306724292


 〜〜〜〜〜〜〜〜


 美しい話でした。作者さまのコメントより、本作は宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」という作品に影響を受けたとありましたが、物語全体の色合いというか雰囲気から宮沢色が伝わってきました。私は上記の作品は読んだことはありませんが、宮沢賢治の詩集やいくつかの作品を好んで読んだ時期があり、宮沢賢治好きを公言されている作家さんの作品やオマージュ作品を読み、私もこの世界が好きだな、と思ったこともあります。


 本作は、破滅的、荒廃的世界に残された少女たちの繊細な感情や、一掴みの光みたいな美しい希望、それから絶望…それらを、全体の温度を下げつつ、それでいてエモーショナルに描いており、うっとりしてしまいます。(変態か?)

 作中にいくつか登場する幻想的な花や、彗星ラジオ、シーグラスなどのアイテムも、「ああ…好き!」と一人テンションが上がっていました…分かる人には分かってもらえるかな…。


 惑星βに訪れた危機的状況により、二人の歯車は動き出し、互いが別々の立場から「献身と自己犠牲」を互いのために実行するのですが、主人公のナオとキンカのお互いを思いやる気持ちが読んでいて切なかったです。二人がツインの存在で女の子同士というところも、なんだか良いですよね。切り離せず神聖な関係、みたいな感じがします。

 ナオがキンカと名付けた花が咲き誇る光景は本当に美しい。


 私のレビュー集を読んでくださった優しい方々には、私の好みがなんとなくバレているのかなぁ、と思いますが。自主企画、まだもう少し募集期間がありますので、ピンと来た方、もし良ければ読ませてください〜^ ^

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