第46話 安い部屋

 加藤が一人暮らしを始めるにあたって借りた部屋は、やけに家賃が安かった。

 引っ越した日の夜、彼は布団で寝ている自分の枕元で、誰かがドスドスと足踏みしている夢を見た。

 朝目を覚ますと、枕元に置いておいた眼鏡が、ケースごとひしゃげていた。


 他にも「色々あった」そうだが、金がないので、加藤は未だにその部屋に住んでいる。

 枕元には物を置かないと決めている。

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