第14話
動乱(第二部)14
技師長に廃棄する船はないか聞くと、500トンの機雷敷設がありますと言うので、それを標的にしたいがと言うと、湾に浅瀬が、
あり船舶の航行は禁止されています、そこなら沈めても問題ありません、外洋に曳航して沈めて、廃棄する予定なので問題な、
いですと言うので、
明日そこに曳航しておいてくれ飛行機による爆撃の効果を参謀達にみて貰おう、良い宣伝になるよと言うと、なるほど幹部は、
飛行機は重視していませんから、愕くでしょうと言ったのです、その夜は宴席に臨み、司令官が紹介するので立ち上がり宴席、
で長話は禁物です、
明日飛行機による爆撃をやりますので、それを見て評価してくださいとだけ言って宴席にはいったのです、司令官の草柳が君、
のお父上にはいろいろ教わったんだよ、日ロ戦争の時ウラジオ艦隊撃滅の為神崎閣下と出撃したのだが、無線電信を使った、
作戦で、
ウラジ艦隊を誘い込み撃滅したが、あの時点で、無線電信の効用を知っていたのは、閣下一人だったのだ、東郷元帥が愕いて、
バルチック艦隊発見の為急遽艦船に無線電信を搭載し、仮装巡洋艦信濃が発見していち早く知らせたので、対馬沖で待ち伏せ、
出来て撃滅できたのだ、
くしくも君が新しい飛行機に目をつけるとは、さすがに神崎閣下のご子息だというので、すべて父上の勧めですよ、なんと言、
っても新し物好きですからねと笑ったのです、ドイツで初めて乗りましたが驚きましたよ、ドイツは近代兵器の開発は素晴ら、
しい民族ですと言うと、
先の大戦で負けて、莫大な賠償金を支払っており、国民は貧困のどん底と聞く、これが新しい火種にならねば良いがというの、
で、おそらくこれ以上は払うのはやめるでしょう、また潜水艦、飛行機を主体とした強固な軍隊を作り、イギリス、フランス、
に対抗すると思いますというと、
窮鼠猫を噛むと言うわけだ、おそらくイギリスは日本を警戒して、アメリカの要請で日英同盟は延長しないだろう、そうなれば、
アメリカとの摩擦が益々増してくる、陸軍が大陸侵攻をすれば大変な事になるなと言うので、そんな事になればアメリカは日本、
を経済封鎖するでしょう、
わが国は鉄鉱石、石油、スズ、ゴム等の物資はすべて輸入に頼っています、これが手に入らなくなれば日本国は破綻しますよ、
そんな事くらい陸軍は分っているでしょうと言うと、年寄りは分かっているが今の中堅は日ロ戦争を知らない世代だからな、
後10年もすれば、
経験者はすべからず退役になる、君や山本くらいが理解しているだけで、後は実力で勝ったと思っている、ここにいる参謀達、
もそうだよと酒を飲みほしたのです、翌日用意ができたので離水して爆撃すると横須賀と同じで船は真っ二つになり沈没した、
のです、
岸壁から観戦していた参謀達は驚いていたのです、陸に上がると司令官がこれはたまげた、これからは飛行機による爆撃、雷撃、
が主体となり、戦艦同士の打ち合いはなくなるなと言って、是非空母の配置を進めてくれと言うので、敬礼してこれより横須賀、
に帰還しますというと、
飛行機に乗り込み離水すると皆が帽子をふったので、バンクして東に向ったのです、中々良い天気で目標もよく見えるので2時間、
で横須賀に帰りついたのです、みんなに素晴らしい出来だ今年末には空母も完成する、空母からの離発着も良く研究してほしい、
と言って、
横須賀工廠を後にして海軍所に戻り、海軍大臣に報告すると、そうかそれは良かったと喜んだのです、こんど英米と軍縮の協議、
に入る、軍縮に反対するやからが騒いでいるが、君はどうだねと聞くので、軍備拡張競争に勝つほど日本は体力がありません、
軍縮になれば、
艦船製造競争もなくなりますので、都合が良いと思います、一番損をするのは多くの艦船を保有するイギリスですよ、しかし、
イギリスもこの辺が限度なのでしょうと言うと、山本も同じ事を言っている、こなんど君と山本は条約締結の為私に同行して、
もらおう、
右翼も騒いでいるようなので、身辺には気をつけてくれたまえと言うので、承知しましたと返事して大臣室をでて部局に戻った、
のです、部員が艦政本部の者達が押しかけてますよ会議室に通してあります、追い払いますかというので、いや、会う事にしょ、
うと言って、
会議室にはいると、開口一番中佐は軍縮条約に賛成なんですかと聞くので、上官に敬礼もせずいきなり質問するとは何ごとだ、
全員起立と言うと立ち上がりも、敬礼したので答礼して、座り給えと言うと全員座ったので、なぜ軍縮に反対なのだと聞くと、
欧米はわが国の、
戦力を封じ込めて戦えなくする腹です、そんな無体な条約を結ぶわけにはいきませんというので、なぜ戦えないのだと聞くと、
英、米は日本の艦船保有率を、6割にするそうですと言うので、今わどうなっているのだと聞くと、わかりませんというので
教えてやろう、
英国とは我が艦船は4割しかない、又米とは5割しかないのだ、英国を10とすれば、我々は後2割も艦船を増やせるのだぞ、条約、
を結ばなければ、英、米との艦船保有率はどんどんはなれて、やがて2割にも満たなくなる、わが国は国力がとおてい英米には、
およばないので、
都合が良いではないか、現状をよく調べて話をするべきだろうというと、それは間違いないでいすかと言うので、帰って調べれ、
ばよいだろうというと、全員立ち上がり失礼しましたと敬礼して部屋を出ていったのです、副官がお見事でした、それは本当で、
すかと聞くので、
まあ大体あっているだろう、奴らが完全に調べられるはずはない、両国とも隠している艦船や、製造中もあるだろう、文句言っ、
てきたら、こちらは明石機関に調べてもらっていると言えば良いのだよ、奴らは諜報を軽視しているので調べられるわけがない、
と笑ったのです、
しばらくして新太郎は風邪がもとで寝込み、長年のつかれが出たのか、新一を枕元に呼び、そろそろお別れだお前の力で戦争は、
止められないだろうが、犠牲を少なくする方法を考えてくれと言って、すずを頼むというとめを瞑ったのです、すずが手を握り、
あなた暫くしたら、
私も行きますよと言うと、目を開けてお前はまだ早い、新次郎が大きくなるまで待つのだ、いろいろ世話になったというと再び、
目を瞑り黄泉の国に旅たったのです、親父の遺言で親族だけの密葬にしろとのことで、菩提寺でしめやかに葬儀を行い、弔問は、
断ったのです、
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