第10話


動乱(第二部)10


翌日東郷元帥を迎えに行き、自動車で晴海埠頭に向かうと、中々乗り心地の良い、車だなと言うので、フオードの大衆車です、

馬力も結構ありますと言うと、わが国も軍用自動車も力を入れる必要があるな、これからは騎馬隊はすべて自動車にする必要、

があります、


陸軍は特に戦車の開発を急ぐべきですと言うと、山県さんに良く言っておくよと言うので、騎馬隊の西大尉はすごく興味を持、

っているみたいです、西洋ではロシアが大量に配備を進めているそうで、特にアジアに配属されると満州軍には脅威になりま、

すと話したのです、


程なく晴海に着き車を降りると、分隊長の中野中尉が出迎えて、準備は整っていますと言うので、東郷に飛行服とパラシュート、

を装着すると、観戦に来ていた海軍大臣が危険はないのかと聞くので、大丈夫ですよと言うと、東郷が新一君の操縦なら安心だ、

よと笑ったのです、


水上機に乗り込みエンジンを始動して、東京湾へ進みスロットルを上げて滑走して、フワリと浮き上がり旋回すると、東郷が、

これは凄い、空からみるとスカ~とするねと喜んでいます、それでは色々試します、気持ちが悪くなったら言ってくださいと、

言って、


右、左旋回、急上昇、急降下、宙返りをやり、水平に戻しどうですかと聞くと、素晴らしいと言うので、胴体に機関銃が取り、

付けてあります、あの先に的が浮かべてありますので銃撃しましょうと言って旋回して射撃体勢にはいり銃撃すると見事的に、

あたり粉々に吹き飛んだのです、


次に50k爆弾が胴体に取り付けてあります、右のレバーを軽く引けば投下できます、私が合図したら引いてください、レバー、

の上にロックがありますので紐を引いてロックを外します、宙返り等の空戦で落ちないようにしてあります、それでは紐を引、

いてロックを外してくださいと言うと、


はずしたぞと言うので、行きますよと侵入角度に入りまっすぐ飛行して今ですと言うと、東郷がレバーを引くとヒューンと音、

がして爆弾が落ちていき的の2mで爆発して小舟が粉々になり沈没したのです、命中ですと言うと、これは凄い100k爆弾なら、

戦艦の甲板はボロ、ボロになるな、


貫通弾にすれば船倉で爆発して誘爆すれば撃沈も可能だ、いいものを見せて貰ったと言うので、それでは富士山でも見て来ま、

しょうとバンクして西に向かったのです、観戦していた海軍大臣をはじめとしてみんなが驚いていたのです、見に来ていた、

新太郎に、


神崎閣下素晴らしいですね、ご子息を兵器局長にしたのは大正解ですよと言うので、一枚翼のジュラルミンの飛行機ができれば、

大砲どうしを打ち合う艦隊決戦はなくなるよ、退役した巡洋艦を空母改造しているそだ、空母ができれば遠くの場所も攻撃可能、

になると言うと、


山本がこれを見た軍人はあらゆるところに宣伝してくれるでしょう、軍用機の開発も容易になりますと言ったのです、その辺で、

お茶をのみましょうと言うので、近くのレストランに行きビールで乾杯したのです、東郷と新一は富士山の近くに飛来してこれ、

から4000mまで上昇します、


富士山と同じ高さです、寒くなりますよと言って上昇して富士山の周りを飛行すると、東郷がこれは良いながめだなと言うので、

一枚翼の飛行機なら6000mくらいまで上昇できますと言うと、この高さの倍かそれはすごいと感心していたのです、戻りますと、

機首を東にむけたのです、


程なく晴海が見えてきたので旋回して着水し埠頭に進んでいき、東郷を降ろし自分も降りると、東郷が観戦に来ていたみんなに、

素晴らしい飛行だった、これで飛行機が十分実戦に役に立つ事がわかったよ、急いで取り入れて実践配備する必要がある、船か、

ら離陸できれば、


遠くの場所も高速で飛来して攻撃できる、船の5倍以上の速度がでるからなと笑ったのです、それでは進めてくれと言うと東郷は、

帰って行ったのです、中野に爆弾の代わりに増床タンクをつければ1000kは飛行できてここから佐世保まで飛行できるぞと言うと、

なるほど、


早速改造を依頼しますと言って、みんなの腕も上がりましたので、もう教官はできますと言うので、それでは操縦志願者を50名、

募集しょう、集まったら送り込むので訓練してくれ、後霞ケ浦にも飛行場を作りそこでも訓練しょう、半分を教官として送り込、

んでくれと言ったのです、


大正3年オーストリア=ハンガリーの、帝位継承者フランツ・フェルディナント大公が暗殺され、オーストリア=ハンガリーは、

セルビア王国に最後通牒を発するという、七月危機が起こった、各国政府および君主は、開戦を避けるため力を尽くしたが戦争、

の連鎖的発動を止めることができず、


瞬く間に世界大戦へと発展し、欧州各国間の同盟網が一気に発動された結果、数週間で主要な欧州列強が全て参戦することとな、

った、日本はイギリスと同盟を結んでいたが、国益にならない戦争には議会の同意は得られず、大隈内閣は参戦を拒否したの、

です、


海軍大臣に呼ばれて大臣室に行くと、ついに西洋で戦争が始まった、とりあえず日本は参戦しないとの事だが、連合国がドイツ、

の植民地南西諸島、中国の山東省の権益を餌に参戦をうながしてくるだろう、海軍としては政府が参戦を議決し陛下が裁可され、

れば、


参戦する事になるが、新一君は参謀として派遣艦隊に乗り組んでもらいたい、ドイツは潜水艦が発達していると聞く、その防御、

は飛行機か駆逐艦に頼るしかない、わが国の潜水艦はまだ未熟だと言うので、承知しました、駆逐艦に飛行機を搭載して索敵に、

使う事にしましょうと言ったのです、


このころになるとフランスからもう5機を購入して、横須賀、霞ケ浦で訓練をしており、まだ実戦は無理だが、中野を初めに3人、

と飛行機2機を駆逐艦に積み込む事にして訓練に入ったのです、改造空母は退役した巡洋艦のため遠洋の航海は無理だと思われた、

のです、


たびたび連合国から参戦の要請があり、大戦終結後にはアジアにおけるドイツの権益をすべて日本に譲渡する条件を出したため、

議会が承認し陛下が、裁可したので陸軍は山東省、海軍は南西諸島の占領する事になり、急遽、派遣艦隊の編成に入ったのです、





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