第9話
動乱(第二部)9
うちに帰るとテーブルにご馳走が並んでいます、息子の新次郎が父上と傍に来たので抱き上げて重たくなったなとイスに座ら、
せて、いつも何をしているのだと聞くとじじいと遊んでいるよと言うので、春子が私とお母さまは毎日英和学園に行きます、
のでお父様に預かってもらっているのですよと言うので、
剣道は練習しているのかと聞くと、ハイ、しじいに習っているよと言ったので、それは大変だと言うと、叩かれると痛いんだ、
よ、でも強くなるために我慢しているの、いつかわじじいに抜き胴を決めるんだと言うので、その息だと頭をなぜたのです、
親父が帰国祝いにと言うのでグラスを傾けたのです、久しぶりの日本料理を美味い、美味いと食べるとお袋と春子が喜んで、
います、父上お土産はと言うのでアメリカの絵本があるぞ、もつとも中身は英語だから、じじいに読んで貰うと良いと言う、
と、
それでは早く、ご飯を食べようともく、もくと食べるのでみんなが大笑いしたのです、食事が終わり新次郎に絵本をわたし、
それぞれにお土産を渡すと、ほうこれは牛皮のサイフかと言うので、アメリカの特産物はあまりないんですよ、母上と春子、
に渡した首飾りは、
南米産だそうだと言うと、親父がまさか銃をお土産にはできんなと笑うと、新次郎がじじい早くと袖を引くので、お袋が、
じじいはお父上と話があるので、私が読んであげるはと言って居間に行ったのです、親父がそれではと日本酒を注ぐので、
乾杯したのです、
明石大佐のおかげで旧式ですが複葉機とそのエンジンの図面も手に入りました、父上によろしくと言っていましたよ、もう、
将官になっていても良い歳ですがと言うと、将官になれば海外で活動できないので本人が断っているのだそうだ、わが国は、
諜報は重視していないのだよと言うので、
日ロ戦争の時は大佐が、ロシアの革命家を一つにまとめたので、満州に増派できなかったのでしょう、それで日本軍が有利に、
なったのではと言うと、そうなんだが陸軍の幹部はそれを認めたくないのだよ、なんと言っても現場主義だからな、児玉さん、
が生きていれば、
その辺のところは一番わかっていたのだが、秋山も今わいない、中核にいる軍人は、やっと勝った事など忘れているのだよ、
諜報部局を作り明石大佐を中心にすべきだが、人事権をもっている陸軍大臣も組織の了解なしには勝手に作る事は出来ん、
のだよと言ったのです、
イギリスは力をいれているみたいで、ドイツの暗号はほぼ解読していると明石大佐が言っていました、海軍だけでも部局を、
作ってもらうように動いてみますと言うと、それは良いなわたしからも海軍大臣に後押ししょうと言ったのです、新次郎が、
大きくなる頃には、
アメリカとの摩擦が大きくなっているだろう、フイリピンを拠点にして中国に進出してくるので、対抗して満州から内陸部、
へ陸軍が色気を出せば、アメリカは孫文を利用して日本をけん制する為、反日を扇動して武器を供与するはずだ、陸軍は、
泥沼の戦いに引きずりこまれる、
困ったもんだと、酒を飲みほしたのです、色々親父に報告して夜遅くまで話していたのです、翌日は海軍省に出仕して局員を、
会議室にあっめて、今回局長に就任した神崎です、わが国は英米に軍拡で競争しても財力はとえてい及ばず競争には勝てない
事はみんなはわかっていると思う、
しからばどおするか、忌憚のない意見を言ってもらいたいと言うと、本田少佐が5万トン級の戦艦に大口径の大砲を搭載して、
2~3隻建造すべきです、これを中心にあとは護衛の駆逐艦を大量に建造して大砲及び雷撃を主体にする艦隊編成にすべきで、
と言ったのです、
他にはと聞くと長澤大尉が大型の潜水艦を大量に作り雷撃を主体にした艦隊を作るべきですと言うと、柴崎中佐がやはり通常、
どおり、大型戦艦、巡洋艦、駆逐艦の構成にして都合4艦隊の編成にし、水雷隊は駆逐艦、潜水艦を別編成にすべきですと発言、
したのです、
誰からも飛行機の話はでず、空母を主体とした機動部隊の認識は極めて低く、これを進めるのは至難の技だなと思ったのです、
があえて口に出さなかったのです、やはり飛行機は空飛ぶおもちゃと思っているのだろう、グラマン社の試作機をみせれば、
考えは変わるのかもしれないと思ったのです、
横須賀に飛行機が届いたので、柴崎中佐に部局をまかせて横須賀で試験飛行に入ったのです、10人の人間にマンツーマンで、
操縦を教えると1月で単独飛行ができるようになり、みんなは空を飛ぶ素晴らしさが分かったみたいで毎日テキパキと訓練を、
行っていたのです、
技術将校に車輪の代わりにフロートを作り水上からの離着を試すことにして、改造を依頼すると10日ででき、50k爆弾搭載も、
出来るようにして、駆逐艦に積み込み横須賀港を出航したのです、駆逐艦から海におろして新一が乗り込みエンジンをかける、
とスピードを出して、
海面を疾走して離水したのです、晴れた日なので海中までよく見えます、これなら十分索敵ができると感じたのです、次に、
着水して駆逐艦から海底まで10mおきに200mまで20本の布をつけた縄を仕掛けて、離水した上空から観察すると100m近くまでは、
識別可能ですが、
それ以上は良くわかりません、100m以下に潜られると見失うな何とか方法を考えようと思ったのです、次に訓練した搭乗員に、
経験させたのです、爆弾投下訓練も順調で時速200kで飛ぶ飛行機を機関銃で撃ち落とすのは非常に難しい事がわかり実戦に、
投入できる感触を得たのです、
搭乗員の中野中尉を分隊長に指名して訓練は続けるように言って海軍省にもどったのです、局員に潜水艦用の爆雷、の試作を、
検討させて、退役になる巡洋艦から砲を取り外し、艦橋を甲板の横にずらし、甲板を滑走路ように改造する依頼すると3ケ月、
かかるとの事です、
飛行機に搭載する魚雷の図面を見ていると、局員が立ち上がり敬礼するので入り口を見ると、東郷元帥が答礼しているので、
立ち上がり敬礼するとニコニコ笑いながら傍に来て新一君久しぶりだねと言うので、傍の応接を進めると座って、この前君、
のお父上が来られたんだよと言うので、
何か言いましたかと聞くと、飛行機と潜水艦の事を詳しく話されて、大鑑巨砲主義を煽らないようにクギをさされたよ、わし、
は煽っているわけではないが、どうも私がその頭と思われているらしい、そこでわしにも飛行機に乗せてくれないだろうか、
わしが乗れば、
飛行機の開発も容易になると思うのだがと言うので、なるほど閣下が乗ったと聞けば開発の推進に拍車がかかりますねと言っ、
て、明日でも用意しましょう、晴海まで飛行させておきます、明日迎えにいきましょうと言うと、晴海に飛行場があるのかね、
と聞くので、
飛行機にフロートをつけてありますので水の上に離着水できますと言うと、ほう、それは便利だね楽しみにしているよと言って、
帰っていったのです、柴崎中佐が驚きました東郷元帥が飛行機に興味をもつとは、我々も見学に行っていいですかと聞くので、
構わないよと返事したのです、
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