一番の幸せ
「やっと、やっとお兄さんと一つになれます」
学校から帰ってきて、良平と桃花はベッドに座って向かい合っている。
今から待ち望んでいたことするからか、桃花の頬がほんのりと赤い。
ちなみに手錠は邪魔になるのでつけていなく、制服のままだ。
「そうだな。こんな早くすることになるなんて思ってもいなかったけど」
「ですね。九月最初のお兄さんは私に興味すら持ってくれませんでしたし」
夏休み明けに妊娠したと学校で嘘を言い、桃花は何が何でも良平と付き合おうとした。
でも、良平は桃花に興味を持ち始め、これからお互いの肌を重ねる。
桃花にとってこれ以上幸せなことはないだろう。
「する前にお風呂に入った方がいい?」
「いいえ、お兄さんの匂いは好きですし、お風呂に入っている時間すらもったいないです」
すぐにでもしたいようで、桃花は良平に抱きつく。
生理が終わったらすると言っていたから良平もする覚悟は出来ており、キスしながら桃花をゆっくりと押し倒す。
「ん……んちゅ……」
濃厚なキスをたっぷりとし、まずはお互いに興奮させていく。
「お兄さん、きてください」
「うん」
このまま二人は初体験を済ますのだった。
☆ ☆ ☆
「はあぁぁ……もの凄く幸せです」
初体験を済ませ、良平と桃花は抱き合っている。
「桃花が幸せなら良かったよ」
優しく頭を撫で、良平は自身の胸に桃花の顔をうずめさせた。
桃花の体をいじっていたためか、今まで一切異性に興味を示さなかった良平でも興奮出来た。
性欲は人間の三大欲求でもあるし、感情が希薄でも問題ないということだ。
「はい。今までで一番幸せですよ」
本当に幸せのようで、宝石のように美しい瞳から一筋の涙。
初めてで痛みから出たわけではなく、愛する人と繋がれたことによる喜びの涙。
よっぽど嬉しいことなのだろう。
「出来るってわかったし、これからも幸せになれるよ」
「本当ですか? 嬉しすぎますよ」
良平が頷くと、「にへへへぇ~」とあり得ないほど桃花の口元がニヤけている。
これで終わりってことがないとわかったからだろう。
何よりも良平の側にいることが幸せな桃花にとって、これ以上の幸せはない。
「桃花ってあり得ないほど一途だよね」
「そうですね。もうお兄さん以外の人なんて考えられません」
どこまでも桃花は良平のことしか想っていない。
ずっと一緒にいれるためなら、他の何を犠牲にするのも厭わないだろう。
「お兄さん、愛してますよ」
「うん」
「永遠に一緒です」
「うん」
桃花の愛はアニメに出てくるヒロイン以上で、本当にずっと愛し続ける。
尽くしてくれるヤンデレの部類に入り、本人は好きになるまでこうなるなんて思ってもいなかったけどだろう。
「お兄ちゃん、桃花入っていい?」
ドアをノックする音と共に、外から詩織の声が聞こえた。
もう帰ってきたようだ。
良平が「どうぞ」と言うとゆっくりとドアが開かれた。
「もう終わったかな?」
「終わったけどもう少したってから帰ってきてほしかったな」
もう少し二人きりでいたかったようで、桃花は不満そうに頬を膨らます。
もっと沢山したかったのだろう。
「結構早く帰ってきたのな」
「そんなことないよ。ご飯の買い物をしてたし一時間以上はたってると思うよ」
部屋にある時計を確認すると、本当にかなり時間が経過していた。
時間経過がわからないくらいに没頭していたということだ。
「じゃあ、私はご飯の準備するから。続きやるなら声抑えてね」
「はーい」
桃花はやる気満々らしく、部屋を出て行く詩織を見送る。
「お兄さん、まだ出来ますよね?」
「そうだな。今日は桃花にが満足するまでやるよ」
「ありがとうございます」
二人は再び肌を重ねるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。