首以外のとこにも噛みつく

「んん……んちゅ……」


 昼休み。良平は桃花と二人きりになってキスをしていた。

 屋上付近の階段の所に行けば二人きりになることが可能だ。

 キスをしながらリボンと取り、ブラウスの第二ボタンまで外す。

 可愛らしいピンク色の下着がチラッと見え、少しだけ良平は興奮を覚えてしまう。

 最近は桃花の身体をかなり触っている影響だろう。


「噛むから」

「はい」


 今回はいつのも首ではなく、鎖骨に甘噛みをする。

 別のとこも噛んでみたいと良平は思っただのだ。

 首と違って鎖骨は固く、少し噛みにくい。

 だからって噛むのを止めることないし、力を入れていく。


「何か変な感じ……やぁん……」


 良平がすることに桃花が拒否するわけなく、されるがままに。

 鎖骨でも気持ち良いのか、桃花の口からは甘い吐息が漏れる。


「痛いけどいい……」


 良平によって痛みが快感になっている桃花にとって、噛まれるのは気持ちいいことでしかない。

 今日は帰ったら初体験を迎えるが、初めての痛みも快感になるだろう。


「うむ……鎖骨はいまいち」


 牙が肌にめり込まないので、噛みつくのを止めた。


「学校だと脱がせられないからな」

「他の人が来ないですし、脱いでもいいですよ?」

「ダメ。絶対に来ないなんて言い切れないから」


 今の良平は桃花を独占したいという気持ちがあり、他の人に見られることを許さない。

 だからここでこれ以上脱がすなんてことでしないのだ。


「ちょっと足を開いてみて」

「はい」


 桃花が足を開くと、良平はその間に入り込む。

 こうすれば桃花が足を開いていたとしても他の人に見られることはない。


「学校だとなんだか恥ずかしいですね」


 頬をうっすらと紅潮させ、触ってもいないのに桃花の口から甘い声が漏れる。

 その声は男心をくすぐり、良平は桃花の太もも……根本に近い部分に噛みつく。

 ここなら他の人に歯形が見えることはないし、鎖骨と違って柔らかい。


「お兄さん……はぁん……」


 首以外も、というか全身が敏感になっているようで、桃花はどこに噛みつかれても気持ちよくなる。

 モデルのように細くて長い足はとても柔らかく、首より噛みつきがいがあるかもしれない。

 柔肌に鋭い牙がめり込み、良平は噛みつきたいという欲求を満たしていく。

 桃花に噛みつくということは止めることが出来ず、最早日常と化している。


「もうダメ……やん」


 身体を大きく震わせた後、桃花は力が抜けたようにぐったりとしてしまった。

 首より気持ちよかったのだろう。


「お兄さん……愛してます」


 力が入らないながらも、桃花は良平に抱きつく。


「知ってる」


 桃花が良平のことを好きすぎてしょうがないのは誰が見てもわかることだ。

 何があっても離れることなんて桃花に出来ない。

 良平と一緒にいることが桃花にとっての一番の幸せなのだから。


「もうすぐお兄さんの口から愛してるって言葉が聞けそうです」


 良平は決して遊びで女の子を抱いたりしない……つまりは何があっても桃花と一緒にいると決めたってことだ。

 それがわかっているから出た言葉なのだろう。


「俺の口から聞けたらどうなる?」

「嬉しすぎて号泣します」


 以前に見た目を褒められた時も泣いていたのだし、愛してるなんて言われたら桃花には心の底から幸せを感じるだろう。

 その日は泣きまくっていそうだ。


「そろそろご飯食べようか」

「はい」


 二人は詩織が作ってくれたお弁当を口移しで食べるのだった。

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