第566話【スポーツを楽しもう1】
<<加藤弥生視点>>
お久しぶりです。加藤弥生です。
皆さん、オリンピック中継見ましたか?
楽しかったですねえ。特に陸上競技。これでもわたし中学生の時は短距離走の選手だったんですよ。
県大会までですけどね。それでもすごくないですか?
第1回大会の時はまだ学生だったんで、テレビで応援するだけでしたが、無事卒業して今は、国際連合司令室で働いています。
今はランス様のお手伝いで第2回オリンピックの運営を手伝っています。
さて、およそ1ケ月にも渡って開催された第2回国際連合オリンピックですが、あと残すは最終種目のマラソンのみとなっています。
人族が走るフルマラソン、獣人族の100キロマラソン、そして巨人族の200キロマラソンの3競技です。
これもマサル様が作られた亜空間競技場があるからこその出来るのですよね。
それぞれのコースに分かれて一斉にスタートです。
出場選手は総勢500人。各星から選りすぐられた3000人から更に予選を突破した強者揃いです。
3時間後、それぞれのゴールに戻ってくる選手達を労いながら控室へと案内していきます。
スタートから4時間後、全ての選手がゴールし、そのまま閉会式です。
主催星のスバル星の星王の挨拶に続き、大会責任者のランス様の挨拶で無事に第2回オリンピックも終えることが出来ました。
4年後の第3回シンゲン星大会では、新たにレスリングや空手競技も採用されるようです。
いやあ、本当に楽しみですね。
というわけで、第2回スバル大会も無事に終えて、一息ついているところです。
「ねえ、ねえ、弥生ちゃん。最近ねジョギングって言うのが流行っているらしいよ。」
「イリヤ様、ジョギングですか。地球でもオリンピックの後は皆んな走ってましたからね。ほとんど3日坊主ですけど。」
わたしも覚えがあるなあ。短距離やってて走りにはちょっと自信があったから、自信満々にフルマラソン大会に出て大変な目に遭ったっけ。
しばらくジョギングで長距離の練習をしたっけな。
「そうなんだ。各星から陸上競技場の設営について結構な問い合わせが来ているのよね。
中でもマラソンコースについての問い合わせが多いらしいのよ。
ほら、今回のコースを設計してくれたあのアース人の...えーーーっと...「斎藤さんですか」そうそう、その斉藤さんなんて引っ張りだこみたいよ。
それでね、加盟星全てにマラソンコースを作るのは難しいから、共同で利用できる競技場とマラソンコース、それとジョギングコースを作ることになったのよね。
ほら、まだ未開発の星がたくさんあるでしょ。
そこに競技場やマラソンコースをたくさん作って、街起こしをしようって魂胆みたいよ。」
「そうか、転移ゲートをたくさん設置すればいくらでも利用できますものね。
良いアイデアじゃないですか。
いっそのことオリンピックも毎回そこでしちゃえば楽なのに。」
「そうなんだけどね。まあオリンピックをやったらすごく儲かるからね。
どこの星もこぞってオリンピックを招致したいわけよ。
だからあくまで練習場ね。」
「ふーーーん。そんなもんなんですね。」
「そう、そんなもんよ。
でね、弥生ちゃん、陸上やってたんだよねえ。
斎藤さんと一緒に開発に参加してみない?」
「ええっ、面白そうですけど...わたしに出来ますでしょうか?」
「大丈夫よ。お兄様が大量のゴーレムを用意してくれているし、斎藤さんの元部下達も大勢召喚したしね。」
「........そ、それって、良いんですか?地球とまだ国交って無かったですよね。」
「大丈夫よ。たぶんね。」
目が泳いでるのがちょっと怪しいけど、とにかく斎藤さんと彼の元部下さん達とわたしとで、陸上競技場の開発をすることになったんです。
実際に工事するのは力自慢のゴーレム達ですけどね。
「斎藤さん、ご無沙汰しております。」
「弥生さん?だよね。」
「そうです。あっそうか!
そういえば斎藤さんに以前お会いしたのはお婆ちゃんの白石弥生の時でしたね。」
まず始めに斎藤さん達に挨拶です。
「若くなったね…って、あれ亡くなったって聞いたけど?」
「そうなんですよ。死ぬ直前にマリス様に若返らせてもらいました。えへっ」
「えへって…
どちらにしても良かったね…でいいのかい?」
「ええ、青春をエンジョイしてますよ。」
「それは、良かったね。
じゃあ、しばらくは一緒に仕事を頑張ろうね。」
「はい、よろしくおねがいします。
皆さんも始めまして。よろしくおねがいします。」
こうして斎藤さん率いる競技場建設プロジェクトが始まったのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます