第386話【モーリス教授奪還作戦1】
<<モーリス教授視点>>
見事にマサルの奴に一杯食わされてしもうたわい。
まさか、あんな用意周到に魔道具を用意しておるとは思わんかったわ。
まあ、良い。そのうち誰かが助けに来るじゃろうて。
心配なのはユウキじゃな。あのマサルのことじゃ、まさか自白剤は使わんだろうが、それに相当する魔法を使って自白させよるかもしれん。
まあ、ユウキの知っている範囲などたかがしれておるからの。
どうせ異世界人など手駒のひとつにすぎん。
代わりなどいくらでも居るわ。
まあ、休息をもらったとしておこうかの。
<<マサル視点>>
「マサル君、よくやったな。モーリス教授さえ押さえれば、もうこっちのもんだ。
早速仲間の居場所を吐かせてやろう。」
いつも冷静なジーク室長も今日ばかりは鼻息が荒い。
これだけ大胆な事件の重要人物が捕まったのだ。そりゃ鼻息も荒くなるというもの。
だが俺は何か引っ掛かりを感じていた。
上手く罠に嵌めてモーリス教授を捕らえることに成功したし、魔力吸収の魔道具と結界魔法をモーリス教授とユウキの牢に仕掛けてある。
もし何らかの手段で誰かが牢に忍び込んだとしても、そこから出られる者はいないだろう。
それだけの警備強化をしているにもかかわらず、何か引っ掛かるのだ。
そうだ、最後に憔悴しきっているはずのモーリス教授が見せた眼光。
ほんの一瞬だけ光ってすぐに消えた。
光の加減かもしれないが、なんとなく気になる。
一応、警備室には警備強化を申し入れておこう。
<<????視点>>
モーリスが捕まったのか。
まあ、もうテストも終わってるから、もう奴が居なくても問題無いんだが、あいつは知り過ぎているからな。
まあ、とりあえず助けてやるか。
<<モーリス教授助手ドイル視点>>
大変だーーー!
モーリス教授が攫われたーー!
あの方からモーリス教授捕縛の知らせを受けたのはつい先程。
第1被験者だったユウキが何者かに捕らえられ、その救出に教授が向かわれたのは3日前のこと。
心配する我らに対し、「なに時空魔道具で時間をずらして助けに行くから万が一にも心配ないわ。」と言って気軽に出ていかれた。
そしてその後しばらく音信が無かったため心配していたが、案の定ユウキと一緒に捕らわれてしまったようだ。
助けに行きたいのだが、今教授と同じ方法で救出に向かっても同じ結果になる可能性は大きい。
何故捕まってしまったのかが分からないと.....
ただ、先程の連絡で救出部隊を送るというようなことを仰っていたので、僕達はもう少し様子を見ることしかでき無さそうだ。
かなり歯がゆいがこればっかりはどうしようもないな。
とにかく、教授がおられなくても研究は進めるべきなので僕達はそのことだけを考えておこう。
もちろん教授のことは心配だけど。
<<異世界管理局刑務課独房係スミス視点>>
俺の名はスミス。異世界管理局刑務課の独房の管理を任されてる。
異世界管理局は、多くの異世界を造り出し、そこから得られる生命エネルギーを回収しこの世界の貴重な資源として流通させるために作られた政府組織だ。
異世界のことを牧場(ファーム)と呼ぶ奴らもいるが、そんな簡単な言葉で語られるほど異世界って奴は簡単なもんじゃない。
より濃密で栄養価の高い生命エネルギーを生み出すには、それなりの文明を育てる必要があり、高い文明を持つ異世界人の中には異世界自体に悪影響をもたらすものも現れる。
それらの異世界人を捕縛し更生させるのが我が刑務課の役割だ。
そして俺の所の独房係はその刑務課の中でも最も重要な部署になる。
異世界人の中には、この世界では廃れてしまった魔法とかいう者も多く、特にアースやその模倣となる異世界人には知恵の回る奴が多い。
そしてそれらの異世界から文明が遅れている異世界に応援に出される異世界人、まあ召喚者と呼ばれる者達だが、こいつらは特に特殊な魔法を使うんだ。
だからそんな召喚者の中で悪事を働いた奴らを収容するこの独房は、あらゆる障壁で対策されている。
いわば鉄壁の収監施設と言えるはずだった。
なぜ過去形かというと、この前賊に侵入を許し、収監中の罪人を連れていかれそうになったからだ。
あの時は調査室のマサルさんがいてくれたおかげで事無きを得て、その賊も捕縛することが出来たのだが、我らの失態には変わりなかった。
マサルさんの言うことには、彼らの仲間がまだまだ彼らを救出に来るだろうとのこと。
特に先程の賊は結構な大物らしいから、大規模な襲撃があるかもということだ。
刑務課と調査室で今後の対応を練るということで先程から会議が行われている。
我ら独房係も全員集めて全体通達を行った。未曾有の危機に独房係一丸となって対応していく所存だ。
いいか皆んな!気を抜くんじゃないぞ!!
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