第23話 階級《クラス》格差激しくないっすか?
しかもこれは現実世界で伝わっている(※ただし漫画の知識しかない)高価な金に錬成するためや、賢者の石を作るための錬金術とは違う。
アイテムの鑑定、創作、錬成まで、広義的な錬金術を扱える万能なものだ。
これも高い
セリナはただのギルドの受付嬢ではない。
チート
そして、ここはそんなチート
さて、【
「魔物の
そう言ってセリナはできあがった小手の緩衝材部分を指差した。言わずもがな、このジェル状の緩衝材がスライムの特色を現している。
なるほど、これはノアも「拾っておけ」と言うはずだ。
ふとノアを見ると、奴もにんまりと口角を上げてこちらを見ていた。
その
「よかったな。
皮肉ってくるノアに思わず舌打ちする。
この数十分で
万能すぎないか【
そして、お前はいったいなんなんだ【
世界の不条理に不貞腐れそうになったが、せっかくセリナが作ってくれたので小手をつけてみた。
ベースが金属だから重たいかと思ったが、想像よりも軽い着け心地で動きにくさは感じなかった。これなら戦闘も妨げないし、防御力も上がる。
「ありがとう、アンジェ。セリナ」
素直に礼を言うと、二人とも「どういたしまして」と微笑んだ。美男美女の笑顔は絵になるなと思ったのは内緒だ。
ひと段落ついたところで、ふと思い出した。
確かアンジェの新しい剣も
「なあ、その剣の
「そ。ルソードの
「ウフッ」と笑ったアンジェだったが、俺はつい退いてしまった。
確かに剣のデザインはナイフに近いと感じたが、それがまさか昨日自分の肩をぶっ刺したものから取られているとは――ちょっと血の気が引く。
それを言うと俺も同じか。俺だって、バトルフォークでぶっ刺したスライムの小手をつけているのだ。
「これって自分が
冷静になって考えると、俺のやっていることってただのサイコパス。
そんな懸念をしていると、アンジェが「うーん」と腕を組んで唸った。
「魔物も『倒した』とは言うけど、『殺した』訳ではないのよね。
「魔界? そんなのがあるのか?」
「あくまでも言い伝えだけどね。人は天に昇る。魔物は地に帰る。そうやって言われてるのよ」
魔界。また新たな単語が出てきた。
それが本当に存在するのなら、そこの住民が魔物で、そこを統べる者が魔王……ということだろうか。
ここに来てようやく魔王に関する情報を得た気がする。覚えておこう。
「でも、それならなんで消えた時に
なんとなしに浮かんだ疑問を二人にぶつける。
アンジェは「鋭いわね」と褒めてくれたが、彼もセリナも回答に困っていた。彼らいわく、
「それを研究するのも、私たち【
「え、だって他にも
「大変と言えば大変ですけど……でも、やりがいがあって楽しいですよ」
セリナが口角を上げてにっこりと笑う。その屈託のない笑顔が眩しくて目がくらみそうになる。
「やりがいか……凄いなセリナ」
ああ、俺に足りないものはこの輝きなんだろうなあ。俺なんて、働く前から目が死んでたもんなあ。そら内定決まらねえわ。
しみじみと思っていると、アンジェがフフッと微笑ましくしていた。
「そんな忙しいセリナちゃんたちのために、
パチンとウインクしたアンジェは、そのままスッと
「せっかくだから、このまま
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