常識は自身の尺度で決まる

けんぽけ

人生疲れちゃってる感じ?

「俺なんかさ〜、最近何も面白いことなくてさ。でも金はどんどん無くなるし、もうこれ人生疲れたから自殺できるかも。」

「冗談は程々にな、お前の最近の言動見てるとマジでやりそうだから。」

「そんなに暗いのか俺?」

「あぁ。」


今日も特に何も無く1日が過ぎていく。面白いことなど特に無く、好きになる女の子も居なく、ましてや告ってくれる子も居らず。そうやってテストと課題に追われながら過ごす日々。

人生有限だから大切にしろなんて言われているけれど、時間を大切に思えるような出来事が無ければそう思えることなんて無くて、学生に寿命なんて話が早いと思う自分もいる。

面白いことも何もないくせにちょっとやらかしただけで怒られる。

「あなたはその場の勢いだけで人を殺すんですか!」

先生はだいたい人を殺すなんて事を話に結びつけて非を認めさせようとする。

「もし仮に自分が金に困っていたとして、殺したら金がもらえて捕まらないのであれば殺します。」

最近はそう思い始めていた。

いや、元からそう思っていたのかもしれない。自覚していなかっただけ。

この話に心から思っている事を話そうとしたら出てきた言葉。それが自分なんだと思った。これが自分という人間を成り立たせている思考の一つであると。

「それが本心なら危ない人ですよ!」

否定された。自分の考えを押し付けるなってーの。

「じゃあそうかもしれません。」

「じゃあってなんですか!」

そんなの、自分の考えと相手の考えは必ずしも一致しているわけではないから、自分は違うと思っていても、相手からしたらそうかもしれない。

「自分ではわからないから。」

「じゃあなんで殺そうとなんて思うんですか?」

「自分には多少の精神的負担があるだけで、とくに害が及ばずに金が手に入るから。」

「はぁ。もうだめだ。じゃあなんで殺したら捕まるんですか?」

「法律に違反するから。」

「なんで法律には殺しちゃいけないってあるんですか?」

「人間の数が減らないようにするため。」

「はぁー!?」

まただよ、自分の考えと少しでも違えば文句言いたそうにするんだよ。

脳を共有してんのかっつーの。

こんな教師は嫌だ。いや、人間ほとんどこんなもんなのか?

自分と他人は同じ考えな訳がないのに自分と意見がずれるとあーだこーだ言って自分の意見を押し通そうとして、必要の無いいざこざを引き起こして、他人をバカにした言葉を吐いて、それがストレスで他人に当たって…

こんな事を繰り返してて楽しいのか?

なんでこんな次元の低い考えしか持っていないのか。こんな奴らと同じ人間という種族で一括りにされたらたまったものじゃ無い。


いや、この考えも人間をバカにしているな。


「生きる価値があるのかな、俺」

曇った空、星の見えない空に1人寂しく呟いた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る