二二艦隊計画
ヴィーナスさん、二二艦隊計画などと名づけていました。
テラの日本帝国海軍艦艇を、ベースにしたその計画によると、
二隻の戦艦『みかわ』と『するが』。
A150と呼ばれるもので、基準排水量六万四千トン、五十一センチ(四十五口径)連装砲塔三基六門、ですが、かなりの変更が加えられています。
速力三十ノット近くは出るようです。
二隻の巡洋戦艦は『よしの』と『たかちほ』、B65型超甲型巡洋艦を基本としており、基準排水量三万千四百トン、三十一センチ(五十口径)三連装砲三基、速力は三十三ノット
空母も二隻、『いこま』と『かさぎ』、基準排水量一万七千百五十トン、速力三十三ノットの雲竜級をベースとしたようです。
一応、艦載機は、烈風十八機、流星二十機、彩雲二機となっています。
カタパルトは完備してあります。
改阿賀野型軽巡二隻、C44と呼ばれるもので基準排水量八千五百二十トン、速力三十七.五ノット、島風型駆逐艦、基準排水量二千五百六十七トン、速力三十九ノット、十六隻で二個水雷戦隊
基準排水量五千八百トンの815号型軽巡洋艦、つまり防空軽巡二隻と、基準排水量二千七百トンの秋月型防空駆逐艦八隻で二個防空直衛戦隊
潜水艦として、潜高型を改良したもので基準排水量千七十トン、水中排水量千四百五十トン、水中速力二十ノット。
減速ギア騒音、急速潜航時間の増大、などいろいろあった問題点は全て解決し、目論見通りの性能になった改良型。
バッテリーは大容量高性能のもの、全固体電池ですので安全、そして取り扱いは簡単、マルスのナーキッドの技術で、マハラバード工廠でのみ、量産されているものです。
この潜水艦を九隻、一個潜水戦隊を構成しています。
このほかの必要補助艦艇は、マハラバード工廠で全力建造することになっています。
全艦、太陽光発電衛星から受電することになりますので、補助動力があるだけ。
エンジン区間はかなり小さく、煙突も補助動力用ですので、細い小さいものとなり、空いた空間にいろいろと詰め込んでいたヴィーナスさんでした。
勿論非常用の、水素エンジンも搭載しているようです。
この水素エンジンで、スクリュー後方へエアーを入れて、いくばくか増速できます。
二隻の主力艦だけは、水素エンジンも常に併用して、そのおかけで速力三十ノットを出せるのです。
これだけで何とか進むことも出来ますが、水が無尽蔵に出来ますので、艦内のお風呂は真水です。
戦艦『みかわ』が完成し、公試のとき、ヴィーナスさんは上機嫌で乗っていました。
「やはり戦艦よ!かっこいいわ!」
「でもナノマシンが満ち満ちている以上、必要性があるのですか?」
スジャータさんが、素朴な疑問を投げかけたのですが、
「これでいいのよ、十四王国の連中はあっさりとかたずけてはだめなのよ」
「瓦礫の上に自らの血と涙を流し、硝煙に咽ばなければ、負けたと思わないようですからね」
「敵艦隊を全滅させ、あのでっかい艦砲で港湾都市を叩きのめして、始めて彼らの自尊心も壊れると思います」
「最終解決案の前段階として、全面戦争もいいでしょう?」
「それでもまだ頑張るというなら、ボルバキア・ウィルスの出番、その時はこの艦隊で領海を守るわけよ」
「難民が山ほど来るでしょうからね、その場合、女といえど撃沈よ、婦人海上戦闘団の方々は苦しいでしょうから、ロボットさんたちにやらせればいいでしょう」
「それでは民間人といえども……」
「裏切りも三度目は許されない、泣き言や逃げるのであれば、三度目は起こさないことね」
「ネットワークの加盟惑星に対して、示しが付かなくなる、警告はしているのですから」
「……」
「ところでこの艦の乗組士官は決まったのですか、千ほどロボットさんが乗り組んでいるのですから、二十名は必要ですよ」
「商船ギルドあたりから有能な人員を転籍させています、勿論公募の上です」
「消防や警察からも公募しなさい、出なければ人が足りないかも知れないわよ」
……もっとも遠隔操作が可能、いざとなったら執政官府から動かせますよ……
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