女だけの地域
直轄領全土にキブツーー集団農場ーーが設立され、キブツ単位に四年制の初級小学校があり、キブツの推薦があれば上位の四年制の高級小学校に通えます。
なければ四年制の実業学校へ通うことになります。
四年制の実業学校の中には、軍事幼年学校もあります。
この上に五年制の高等専門実業学校があります。
四年制の高級小学校の上には、先ほどの五年制高等専門実業学校進学のほかに、七年制の高等学校があります。
四年制高級小学校卒業生だけが受験できる、この七年制高等学校を卒業すると、執政官府の現地採用行政官となるわけです。
つまりエリート養成機関なのです。
初級小学校では、ヴィーナスさんに敬意を持つように教育しているとか……住民はヴィーナスさんを帝王のように考えているようです。
キブツには電気、水道、電話が引かれており、ささやかなバスがキブツ間を走っています。
主要な都市間には鉄道が引かれており、この鉄道やバスの燃料は、執政官府管轄のトウモロコシ栽培プラントから作られるバイオ燃料となっています。
ちなみに執政官府自身の動力は、惑星軌道に置かれている、太陽光発電衛星からの電力で賄われています。
ほとんどのキブツは農業ですが、商工業のキブツもあります、職種ごとにあるのです。
軍人および執政官府現地採用行政官にも、キブツがあります。
集団農場が基本で、全ての住民はどこかの集団農場に本籍と職歴を置きますが、希望により農業以外のキブツへの転籍も認められています。
本籍は移動不可ですが、職歴が移動するわけです。
この場合、子孫が生まれると、本籍の場所へ職歴が作られるのです。
執政官府直轄領の軍は婦人陸上戦闘団だけ、二個師団四万名体制です。
とにかくこの地域、ラクシュミーと今では呼ばれるのですが、要監視対象から外されたのがついこの間、ヴィーナスさんの再訪が、その契機となったのです。
(仮称)アプサラス・ハレムには、強制的に献上させた十四王国の女たちが所属しており、この度、全員マハラバードに移り住むことになったのです。
もっともアッサカ王国、マッラ王国、アヴァンティ王国、チェティ王国、の四王国は王族に美女がおらず、養女でと、いってきましたので免除したようです。
代わりに莫大な宝石類を献上してきました。
王家の秘宝だそうです。
正真正銘の王女は、マガダ王国はパールヴァティさん、クル王国はウルヴァシーさん、マーヒシマティー王国のカマラさん。
この三名は妖艶な美女さんです。
残りの方々ですが、
アンガ王国出身はヴァサンティさん。
コーサラ王国出身はモハーナさん。
ヴァツサ王国出身はスマンさん。
マツヤ王国出身はマラティさん。
シューラセーナ王国出身はシャンティさん。
カーシー王国出身はルピンデルさん。
パンチャーラ王国出身はルクミニさん。
この方たちは王族ではありますが、狭義の王女とはいいがたい方たちです。
この七名は、まぁ遺棄された方たち、献上されたときは初潮前の幼女、さすがのヴィーナスさんも手を付けたりはしなかったようです、ただ何かと気にかけています。
(仮称)アプサラス・ハレムに仕えるために、ラクシュミーの女たちが、女官補として採用されています。
四年制高級小学校、または四年制実業学校の卒業生にたいして、女官補採用が許可されたのです。
この新任女官補さん、一応何とか従いますが、アプサラスの女たちに好意をもっているとは、いいがたいのが実情です。
しかしヴィーナスさんに対しての忠誠は本物で、ネットワークの上層部あたりでも、アールヴヘイムンの最終解決にあたり、この執政官府直轄領の住民だけ、適当な惑星に移住してもらう、という計画などがあるのです。
今のところミリタリーの三軍統合司令部内だけの計画ですが、ヴィーナス・ネットワーク審議会でも似たような話があるようです。
ラクシュミーに対しては、ネットワークは好意的なのです。
ただラクシュミー住民であっても、そこはアールヴヘイムン人、願いとしては執政官府を通さず、直接にヴィーナスさんに仕えたいようです。
まずは寵妃を出したい、執政官府直轄領の総意のようです。
そしてハウスキーパー事務局あたりでも、この女官補さんあたりを中核に、ラクシュミー・ハレムなんて構想も……
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