まあまあおかしい恋愛小説

「わー!行っけなーい!授業が始まるまで後一時間〜!」

 出席番号16番、嶋津しまづ 千代子ちよこ!甘いスイーツがだーいすき!私はとりあえず食パンの代わりに持ってきたお菓子を食べた。

「あぁ~!水素の味~!」

 朝のシャワーが終わった私は、教室へ一直線☆


「ねぇねぇ扇風機!」

「あれ、お前誰だっけ!」

「ポッキーだよ!」

「ポッキーか!なら俺はトッポだ!」

「トッポか!なら私はチョコバーだ!」

 私と……

 出席番号17番、瀬戸せと 奏琉斗そるとは結婚した。


「俺達何で結婚したの?」

「あなたがトッポだからよ!」

「俺はマーブルチョコだろうが!」

「初めまして普通太です!」

 浮気した。

「お前その男……」

「普通太です!」

「普通太です!」

「「普通太です!」」

 奏琉斗みたいなトッポみたいなマーブルチョコは普通太を加湿器で殴った。

 普通太は死んだ。死んでもなお

「普通太です!」

 声は聞こえる。

「あぁ、美味しいわ!」

 私はその声を聞くだけでクッキー1600個余裕で食べれる。

「よろしい、パフェをあげよう」


「待て、私が貰おう」


「この声は!出席番号18番、高田たかだ 恋紋れもん!」

「え?Daisuke?」

「Daisuke☆」

 そう言ってDaisukeはDaisukeを踊り出した。かわいい名前してめちゃくちゃクールでダンスも上手くてモテモテなうの子じゃん。

「まあお上手!私も遠藤さんと佐藤君に習ったダンスで踊るわ!」

「普通太です!」

「このパフェいらないなら私が食べるわ!うめぇ!」

「うわ!嶋津この野郎!ビビデバビデブー!」

「うわ!Daisukeのせいで私のパフェが死んだ!」

 それと共に私も死んだ。






 ***






 目を覚ますとそこには……


 出席番号19番、智歳ちとせ 葉芹はせりがいた。


「うへへっ千代子たんの寝顔最高ぉぉぉたまらんなぁぁぁぁぁぐへへへへへへへへ」

「ここはあの世……?」

「いや教室」

「ウッス」

 私はDaisukeを踊って電子レンジを食べた。

「キェェェェェ!それは昆布出汁の電子レンジだったのにー!」

「あなた、昆布出汁?」


 出席番号20番、富田とみた 堕子だしがやってきた。


「昆布出汁たんの寝顔もなかなかキュートだよ!ぐへへへはへはへへへ」

「智歳きっしょ。そんなことよりDaisuke踊りたいなぁ。」

「甘えるな!」

「きゃあ……やめて……私がトロいのがいけないんです、ごめんなさい……」

「そうじゃない!私はDaisukeを覚えるのに5世紀もかかったんだぞ!この苦労を無駄にするのか?」

「さーせん。後、電子レンジ欲しい」

「おえっ……ゲホッゲホッ……はいどうぞネッチョネチョ」

「ありがとう!」バリバリ

「うげぇ……ゲホッゲホッ……」

「普通太です!」


 楽しい……。


 とても楽しい世界……。


 私は……


 ……気付いた。よく考えたら何だろうこの世界は。私が狂ってみんなも狂って……多分みんないじめられてた子だ。病んでた子だ。

 ……でも関係ない。楽しい世界が大好き。虐待に負けて自殺なんてしたくない。

 私は甘いスイーツが食べたかったけれど、そんなの食べさせてもらえなかった。食べたら吐かなきゃいけなかった。せっかく食べることができた好きなものを吐くのが気持ち悪かった。

 妄想が現実かなんてどうでもいい。

 楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい


 たとえおかしくても、そんな

 の関係ない。

 しにたくな

 いから楽しくしたい。


「きのこの山とたけのこの里どっちが好き?私はカマキリがだーいすき!」

「赤いきつねと緑のたぬきと紅の豚どれが好きだい?答えはフライパンでした~。ぐへへへへへへへへ〜!」

「ラジオ体操とDaisukeどっちが好き?そんなことより膝かゆい〜。」

「ただいま!ハワイから帰ってきた奏琉斗だよ!」

「ただいま!ブラジルから帰ってきた恋紋だよ!」

「ただいま!あの世から帰ってきた普通太だよ!」


 ……楽しいなぁ。幸せだなぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る