どこかおかしい恋愛小説

 私は出席番号1番、秋岡あきおか はる。秋だけど春。クラスの明るいムードメーカー。

 彼は出席番号2番、秋本あきもと なつ。秋だけど夏。クラスの暗いムードメーカー。

 私は夏のことが好き。なんかよく分からんけどカッコいいから好き。でもこの想いは届かない。でもまあとりあえずはトイレに行こう。


「炊飯」

 じゃー

 炊飯って叫んでからトイレの水を流すのは癖になっている。最近女子トイレでバケツの水をかけてくる人もいなくなって安心なう。

「……今炊飯って言ったの誰?」

 夏だ!これエビピラフな展開だと思う!

「おーいエビピラフ!」

「エビピラフ……?あ、ここ女子トイレじゃん。まあいいか……。」

 私は夏をトイレットペーパーで殴った。

「はっいけない!〝母上とご一緒〟が始まってまうわ!」

〝母上とご一緒〟は私が気に入っているTV番組。私は夏を蘇生してクラスに帰った。


「夏が出てる……♪」

 私は毎回教室のテレビで母上とご一緒を見ている。そして毎回母上とご一緒には夏が出ている。無表情なところがクール!さすがクラスの〝M組ムードメーカーの暗い担当〟ね!(私は明るい担当☆)彼の表情を見るだけでご飯を150杯食べれるわ。

「春……好きだ。結婚してくれ。」

「あ、ナスの佃煮の人だ!女子トイレに侵入するド変態!蟻の巣へ帰れ!」

「そんなことより結婚してくれ……」

「じゃあとりあえずはトイレに行こう!」

 私達はトイレへ!!!


 私はトイレでインコを産んだ。名前は私と夏の苗字からとって〝あき〟。大切に育てよう。

「秋ちゃんこんにちゅわ!おねむでちゅか!おねむでちゅか!それともあばばばばばば!」

「フザケンナ!大人ナンテ信用ナラネェ!コンナ世界ナンテイラネェ!」

「もーそんな言葉どこで覚えたのー?」

「ジジイガ連呼シテタ!約立タズガ!晩飯ハ抜キダ!コノ野郎!」

 私は夏と離婚した。


 やっぱりまた結婚したが「たこ焼きが食べたい……」という理由で

 夏は出席番号3番、秋山あきやま ふゆという女の子に浮気した。

 私は冬をDSのカセットで殴った。冬の死体は学校の女子トイレの天井に貼っといた。


 ある日テープが弱くて冬の死体が落ちてきた。女子トイレが崩壊した。でもトイレ以外に影響はないからいいや。冬は落ちてきた途端生き返った。

 「春夏秋冬揃ったわね!」

 「そうね!冬、結婚しよう!」

 私は冬と結婚した。

 「春と冬が結婚した……つまりGirls love(いい発音)」

 夏は真顔で南極で踊っている。母上とご一緒でその姿が放送されている。無表情なところはかわいいけれど馬鹿じゃないの、と私はテラスでお好み焼きを飲んだ。


 あれから一時間が過ぎた。

 私はガリガリ君の棒を食べている。

 夏は真顔でアマゾンで踊っている。

 秋は最近ギャンブルに手を出した。

 冬は教室で堂々とエロ本を読んでいる。


 ……みんな頭の中ハッピーで良かったね。

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