234.落とし穴があった→絶望→からの復活!!
前回のエピソードの最後に、『おいたんがネガティブなネタさえもって帰宅しなきゃ安眠できる』と書いた無雲ですが、その落とし穴は実際にやって来ました。
機嫌良く晩酌しておいたんの帰りを待っていた無雲。
おいたんのバイクのエンジン音がしたから迎えに出て「お帰り~」と声を掛けると、何かおいたんの様子がおかしい。
「問題ない?」
私はドキドキしながらそう問いかけました。
「問題あり」
その一言に、が――――ん。
そしておいたんの話を聞きました。
おいたんが今勤めている介護施設は、運営会社が四月から変わります。で、もう新しい運営会社の管理者が来てスタッフの様子を見ているそうです。そして、その新会社の管理者からこう言い渡されたそうです。
「当社は、あなたを使うつもりはありません」
事実上のクビ宣言です。
「一生懸命やってくれているのは分かっています。しかし、あなたは注意力が無く利用者さんの細かい変化に気付けない。介護はそれじゃダメなんです。あと一カ月様子を見させてもらいますが、今の所当社はあなたを使うつもりはありません」
おいたん、自分なりに頑張っていたつもりだったけど、新会社の管理者からは全く認められませんでした。
無雲は、狼狽えました。そして奈落の底に突き落とされたような気持になりました。涙も出てこない。ただ、呆然とする……。
おいたんがお風呂に入っている時、母に言いました。
「もう、無雲どっか行っちゃおうかな」
すると、母はこう言いました。
「無雲がどっか行っちゃったら、お母さんがおかしくなってしまう。死んじゃうかもしれない。だから、お母さんの為にここに居て」
そう言って無雲を抱きしめてくれました。無雲はここで大声で泣きました。悔しかった。悲しかった。不安だった。
その日はおいたんの横で寝たくなくて、母のベッドでぎゅうぎゅうになって寝ました。
翌日は午後からゼプリオンを打つので通院の日でした。
午前中、おいたんと話しました。
「今度職が決まらなかったら、この家を出ていくしかないな」
無雲は、おいたんを失うのが怖くて泣きまくりました。両親は、「もう、こんなに苦しめられるなら離婚してもいいんじゃない?」と言い出しています。
無雲は、それでもおいたんが好きです。おいたんの笑顔が欲しいです。おいたんと一緒に居たいです。だから、泣きました。午前中はずっと泣いていました。
そして午後、ゼプリオンを打ちにM先生の元に行きました。
無雲の死にそうな顔を見て、話を聞いて、薬は減る事は無く、ゼプリオンは増量で打たれました。
おいたんにはこんなアドバイスをくれました。
「ひとつのことに特化して仕事出来る職場を見付けなさい。あなたにマルチタスクは無理だ。それから、障害者手帳は持っていなくても、発達障害がある事は明らかにして、理解のある職場に勤めたほうがいい。もちろん選考に落ちる可能性は高くなる。しかし、理解のある職場じゃなければあなたはまたすぐクビになる」
無雲は、注射をぶすっと打たれて、テンションが低いまま会計をしたり、買い物に回ったりしていました。
そして、ゼプリオンを打ってから三十分くらいが経過した頃でしょうか。
あたまの隅が、はっきりしてきました。
何やら、心に力が湧いてきました。
そして、閃きました。
「こんな奴、ネタにしちまえばいいじゃねぇか!」
無雲には、今作りかけでまだ非公開の自サイトの計画があります。そこでは、パソコンやオーディオストックの話を書く予定でしたが、何かメインになるエッセイの連載をしようと思っていました。
そのエッセイのネタを、おいたんにする事に決めたのです。
タイトルも浮かびました。
『夫は仕事ができません!』
どやぁぁぁ!!!!!
この閃きで、無雲はテンションが爆上がりしました。これは、いけるぞ、と。
おいたんが今までいかにしてクビになってどうやって生きてきたのか。
それを、面白おかしく書いて集客してやる!!
無雲は、今やっと楽曲がコンピレーションアルバムに収録されたりして、ちょっと乗っている所です。なので、今生活の為にパートに出るとかしたくないです。だから、自分の出来る事を最大限やって稼ごうと思います。
なので、今日から『夫は仕事が出来ません』の執筆を始め、ブログに転載し、サイトを公開に辿り着けることが今月から来月の目標となりました。
テンションが爆上がって「私天才やな」と自己肯定感も上がった所で、昨日は友達とサシ飲み。いっぱい喋って、吞みまくって、食べまくって、ストレスは解消されました。
よっしゃ、無雲はやるぜ!!
自分の出来る事を、精いっぱい頑張る!!
七転び八起き。転んでもただでは起きない。おいたんなんて一生私のネタや!! おいたんが傍に居る以上ネタには困らない(笑)。
「お前なんて、一生私のネタ要員」
この言葉を置いて、今日の更新を〆させてもらいます♬
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