196.また、『2級』だった……。

 精神科で高額な注射(ゼプリオン)を打って治療している私は、自立支援医療(精神通院)の支援を受けないと破産してしまいます。今年は診断書が必要な更新の年だったので、その手続きをしようと病院受付に頼んだところ、同時に期限が切れていたらしい障害者手帳と同時申請できる診断書が用意されて来ました。


「もう、障害者手帳は申請するの止めようかな」


 と思っていた無雲でしたが、運ばれてきてしまった用紙を取り消すのも面倒なので、そのまま手帳と同時申請の書類をM先生に書いてもらいました。


 障害者手帳(精神)においては、最重度が一級・中程度(一番範囲が広い)が二級、なった事ないからよく分かんないけど一番下が三級となります。


 無雲は、B病院S医師に掛かったころから障害者手帳を持っていて、Y院長の時もずっと二級で過ごしていました。M先生に変わると、一級にされてしまい、四年間最重度の障害者という扱いで行政の保護を受けてきました。まぁ、障害年金はずーっと二級のままなんで、貰うお金が増えたりとかはあんま無かったんですけどね。一級の時は、住んでいる自治体からちょっとだけ補助金を貰っていましたが。


 ブラック企業を退職して、職業訓練を受けている途中で等級が二級に下がって、「これで最重度から脱したぞぉぉぉ!!!」と大喜びだった無雲。今年の申請では、きっと三級に落とされるんだろうな、と思ってました。


 審査には二カ月くらいかかって、数日前新たな障害者手帳が送られてきました。


 すると、結果……二級のままでした。


「何でやねん!!」


 無雲は不満げです。しかし、母からは「まだまだでしょ……たまに様子がおかしい時もあるし」と言われ、おいたんからは「ゼプリオン打って治療してる間は無理だよ」と言われました。


 Y院長の説明だと、この『二級』ってやつは一番障害の範囲が広いと言われました。よく分かんないんですけど、まだ二級なんですね、私。


 これ、等級に関して患者サイドからは一切要望出来ません。担当医師の診断書に基づいて、行政が判断します。


 だから、無雲のように「軽くして♡」と言葉に出していても、医師が「無理」と診断書で判断したら、その様に判断されるわけです。


 無雲が二級なら三級の人ってどんな感じなんだ。


 私は、付き合いのあった病気仲間もみんな二級だったので、三級の世界を知りません。てか、B病院って、けっこうでっかい単科精神科病院で、重度の人が多く通ってるし、そもそも入院仲間なんてみんな具合悪いから、二級の人ばっかだったんですよね。一級って、よほどじゃないとなりませんし。きっと閉鎖病棟には一級の人もいっぱい居たんでしょうけど、無雲は解放病棟でまったり過ごしていましたので。



 というわけで、無雲はまた二年間二級の精神障害者として過ごす事が決定してしまいました。無雲がイヤイヤしてても、医者と行政が私を障害者だと判断してくる。


 

 早く健常に戻りた────い!!!(ベ〇な感じでwww)

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