絶望の果て

第6話

 別れの日は、本当にすぐにやってきた。


 父と母に呼び出された私とケイトは、父からこの大陸がいずれ沈んでしまうこと、そして私とケイトが先に別の大陸に移住することが告げられた。

 

 ケイトはあまり理解は出来ていないようだったけれど、両親と離れなければならないことはわかったようだった。


 出発の日、港には私たちと同じような人がたくさんいた。多くは子ども連れの女性で私よりも一回り上の人だった。


「サフィニア……」


 船の出航前に父が私を呼ぶもその後に続く言葉はなかった。けれど、父が何を言いたいのかはすぐにわかった。


 重荷を背負わせてすまない。

 父の眼はそう語っていたけれど、私は笑って返す。そんなこと思ったことはない。

 

 これからも、思うことはない。


「ケイトのことは任せておいて」

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