決意
第3話
それから六年、弟はケイトと名付けられすくすくと育っていた。
ケイトが生まれてからは、両親よりもケイトと手を繋ぐことの方が多くなったと思う。そのせいか親心ないし姉心が一際強い自覚があった。
たまに、愛情が過剰かなと思ったりする。
そんなある日の夜、私がケイトと一緒に眠っていると、父が帰ってきた気配を感じた。
私はケイトを起こさないように身体を起こして部屋を出る。
おやすみの挨拶をしようと思っただけだったが、光が漏れている扉の前で私は足を止めた。
気軽に入っていけない緊迫した空気を感じたからだ。
「そんなに時間がないの?」
母の声色はやはり重かった。
「ああ。まだ公にはされていないがね。あと数年はあると思っていたんだけどな……」
父の返答で何の話なのかは、すぐにわかった。
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