ノーボール・オン・ブルームについて
飛びたかったらタマを取れ。
作品こちら。https://kakuyomu.jp/works/16817139556808787144
根幹設定に睾丸を絡めたため自動的にキンタマ小説に分類された本作ですが、この設定そのものは前々から持っていたものでした。
2021年1月に書いた、こんな下書きがありました。
///////////////////////////////
女性しか魔法を使えない、現代都市
魔女による箒レース〝ブルーム・ストーム〟に参加する「
「俺は女に勝ちたいんじゃない。ファルクスに勝ちたいんだ」
魔法が科学の一形態に過ぎなくなった都市を縫って、魔女が疾走する、マラソンとF1のあいのこみたいな競技。
色とりどりのローブは安全防具
宙に浮かぶ「ボール」を順番に
浮力と推進力を駆使して飛ぶ。
上空に星形に配置されたボールを急反転で掃く
タワーを螺旋状に回りながら昇り、頂上からジグザグ降下するような配置
離婚して母に引き取られた。
見に来ていた父親
空は女のものだ。ブルームストームの日は特に。
六十年前に
だから俺は
「セット! レディ!」
////////////////////////////////
第四回こむら川(テーマ「異能」)の時にも使おうとしたアイデアですが、使えませんでした。帆多の気力があまりなかったというのもありますし、なんかジェンダー的なところでうじうじと考えちゃったからというのもあります。
今回は開き直りました。
帆多ごときが狙って面白いものを書こうなんてちゃんちゃらおかしいのよ。書けるものを書けクソが。
タマの設定とタワーからのジャンプだけ決まった状態で、とりあえずスタートさせます。
当初は舞台を昼間として書いていたんですが、しばらく書き進めてから夜に変更しました。ガールズ・ビー・トゥインクル。スーツと箒がゲーミング仕様になります。
やっぱ、ほら、レースには残像がつきものですから。
・箒について
あんまりこまごまとした設定もないのですが、金属類は魔法的にNGと言うことにしました。ですんで
足を踏ん張る鐙と、膝で挟み込むための鞍をつけます。
大ラスでのバクチ技のアイデアは執筆前から持っていたため「来い!」で呼び戻せる設定も最初からありました。よって、その設定を活かすための落下スタートです。落下好きですし。
あんまり詳しい仕様は書いていませんが、魔力を物理的な推進力に変換するもので、機能としてはそれだけです。あとはじっとしてれば落っこちない程度の浮力。
・コースについて
ゼロから都市を描くのは無理が強いので、モデルを使用しました。
大井競馬場→東京モノレール、京浜運河→レインボーブリッジ→スカイツリー→浅草通り。
東京モノレールはレールの上にまたがるタイプですが、作中のモノレールはぶら下がるタイプを想定しています。マスコットの子はオーセンティックな魔女っ子です。首から航空メガネぶら下げてそう。
レインボーブリッジからスカイツリーの間には、現実的にはかなりしっかりした距離があるんですが、あくまでモデルなので、お気になさらず。
路上に出てる観客の様子は、墨田川花火をイメージしました。屋台が出てて。適当に場所をとって、頭上を飛び去る選手を応援する感じですね。
きっと阿波踊りの観戦台みたいなところもある。
・姉(フラッシュボルト・フリーダ)について
ノーボール自身に箒レースとの因縁を持たせようという目論見があり、また遅まきの26歳で競技者となったノーボールがブルームアウト出場権を取る背景も必要でした。そこで姉が生まれます。
〝姉が名選手だった。しかし、引退を余儀なくされ、弟が選手になった〟
これだ!
みたいな。「これだ!」っていうほど独特なアイデアでもないんですが、とにかく採用します。死んだことにしようかとも思いましたが、そうすると文字数が嵩みます(墓参りとかして、決意を新たにするシーンとか要るじゃん)。それに回想が増えるとスピードが落ちます。
死者はほかの作品でもさんざん出るでしょうから、彼女は生きていることにしました。生きてはいるけれど、脳機能に障害を負って引退した、とします。
また、前述のメモにあった「見に来ていた父親」の役割も同時に担ってもらう事となりました。
名前は一番最後に考え付きました。嫉妬される対象でもあるため、主役っぽいカッコよさと真っすぐさから「
高速のレース中にちまちまと言葉を交わすなんてことはやってられないので、目だけ合わせてもらいました。「見ている」という事実があれば十分です。
そしたら、ノーボールが妬ましさを吐露しました。だよな。うらやましいよな。ホントどいつもこいつも妬ましいわ。
妬ましさを抱いて飛べ。600メートルからの意地っ張りダイブです。
思い付きで増やしたキャラが、いろいろ深堀りしてくれました。座ってただけなのに。
・リルリル・ブレッタについて
ノーボール(仮称)に否定的な箒乗りとして出しました。名前の由来は
また、ノーボールには否定的でも、レース中はきっちり風よけとして利用するしたたかさがあります。
・エッジー・リリーについて
どっちかっていうとノーボールに好意的な箒乗り、という観点で出しました。スタート時に10番なのは、予選を10位通過だからです。
鋭角ターンキャラ出したくて「
それだけのキャラだったはずなんですが、お酒を飲んで歩いていたらふと「姉と因縁があるってことにしよう」と思い立ち、彼女はベテランになりました。
そこからは芋づる式に「表彰台で倒れたフリーダを支えて医務室まで連れてった」「1位争いのデッドヒートを行っており、フリーダの脳溢血に因果を感じている」などなどが出てきました。
これらを思いついて、「最下位争いをさせる」という方向性が固まります。
・順位について
なんか優勝するのは違くない? って思ってました。みんな十歳になる前から箒に乗ってガンガントレーニングしてる所にノーボールが入っていって、いきなり勝てるか? という問いに説得力のある答えがでませんでした。
タワーからのジャンプ一発で優勝するほど甘いわけがない。
ここでリリーが因縁を持ったため、順位に頼らないライバル関係が浮かび上がってきました。番狂わせを起こしやすい海上のコースで、さっそく衝突させます。ついでにトラブルも発生させます。
「後方への攻撃」のアイデアが役に立ってくれました。
・後方への攻撃
前の人をずっと風よけにする戦法を放置すると、みんな誰かの後ろにつこうとするサムい展開になりそうだったので、それを封じるためにつくりました。名前の内訳は以下の通り。
マリカーです。
・ゴール後の展開
ゴール後は各選手のその語を書こうかと思ってたんですが、残りの文字数が200字ぐらいしかなかったので、そんな事をチマチマかいている隙間はありませんでした。
「よし、次のシーズンに続け」と冒頭のスタート場面をそのまんま持ってきます。(なお、スタートナンバーは予選通過の順位を反映するため、第一話と第三話で数字が違います)
周りから少しだけ受け入れられて、レースは続いていくエンド。5959 / 6000文字です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます