「まるで明日が来ないかのように」について
このあとがきには鬼滅の刃、無限列車編についてのネタバレがあります。コミックス未読で映画を楽しみにしている方は、絶対に読んではいけません。あとがきがこんな書き出しになるなんて思いませんでした。
では、本題に入ります。
まず最初にやった事。
弟から許可を取る。
というわけで、この作品は実体験を基にしたフィクションです。私小説と言って良いのでしょうか。
実体験を基にした、というと数年または十数年前の出来事を書いたかのような響きを持ちますが、執筆時点で現在進行形でした。
父から弟入院の知らせを受けたのが7/17の08:45。
弟に連絡をとり、流れでKindle貸し出しを申し出たのが同日の10:15。
この時の気持ちを書こうと思ったのが20:30ごろ(メモの最終保存時間)
許可申請が21:00。
作品公開は翌日。23:25。
実際にKindleのデータを削除したのは公開後の7/22、実際にKindleを渡す前日でした。
LINEやカクヨム上にタイムスタンプがあるので、記録が正確です。
なおTwitterによれば、作品公開日の僕の夕食は「カップヌードル抹茶」
さて他者の、しかも家族の病気をネタにしようというのです。「それってどうなの?」と悩みました。これってどうしても書かにゃならんことかね?
書きたい気持ちはある。こんな気持ちになるものなのかと、自分でもおどろいたし、忘れないうちに書きたい。しかし、この胸にある「良いネタ思いついたぞ」感が非常に厭らしい。いや、でも書く。その前に当事者に了解とる。
< 兄といっても、大人になっても、出来るのはキンドル貸すぐらいなのかと思ったらめっちゃエモくなったんだけど、これをネタに短編書いていい?
> どうぞどうぞ!
原文ママです。こんなにも理解のある弟が、こないだ無事退院しました。よかったよかった。
貸したKindleから普通に鬼滅の刃読んだらしいです。
> 煉獄さん出てきたと思ったらすぐ死んじゃった…
との事でした。
わかる。兄もびっくりした。あのタイミングで追加戦闘あると思わないじゃん? 戦いはしたけど、ここは引き分け両者撤退かなと思うじゃん?
あそこからの緊張感パないよね。
はい。
許可をもらったので、すぐに書き始め。
今回の話の骨子は「兄といっても、大人になっても、出来るのはキンドル貸すぐらいなのか」と思った時の感情のうねりでしたので、そこへ向けて真っ直ぐに書きました。
フィクションとして書きましたが、脚色を極力しません。ネタにはしても、悲劇で飾るのは絶対にするな、と手綱を締めて書き上げます。
が、文字数の下限に達しないまま話が終わりそうになったため、家族エピソードで盛ります。父とは敬語でLINEします(実話)。姉のチワワはかわいいです(実話)。鈍行で博多へ行きました(実話)。
内容のほとんどが実体験から来ていますが、データ削除のシーンだけは創作でした。
嫌な思考は単純作業の時ほど頭を巡る。
作中に置いた嫌な想像がリアルに嫌な想像なので、頭がぐっちゃぐちゃになります。しかし今書かないでいつ書くのだ、とかっこいいっぽい言葉を胸に執筆を続けます。
無事作品を公開し、家に帰って(出張中でした)データ削除となりましたが、作中で扱った削除方法が誤りであったとそこで気づきました。
スマホアプリ版Kindleは「端末から削除」で一覧から消せますが、端末としてのKindleはそれではダメです。どんな作品を買ってあるのか、一覧表示が出っぱなし。
よって、Amazonアカウントにログインし、購入済みのライブラリから閲覧権限をすべて抹消せねばなりません。
しかし、作品内容の修正はせず。
削除しますか
はい
削除しますか
はい
この繰り返しが帆多なりのエモのキモです。
いい大人が小さな端末にむかって孤独にひとつひとつ消すからいいんです。PCで一括削除なんてしてはならないんです。
現実では一括削除しましたけれども。
ええ消しましたとも。何年もの間に積み重なった! エッチなやつを! 全部!
端末はクリーンになりましたが、今でも「読書履歴によるおすすめ」にはちょろちょろ出ています。
あれ、これ、意味なかったんじゃね?
そうそう。弟からLINEが来ました。
>Kindle借りた話、ブログに書こうとして全然書いてない😅
だそうです。
弟のブログはめちゃくちゃエモくて、初回入院時のお見舞いで「君のブログはエモくて超良い」とベタ誉めしたのですが「まさかお見舞いに来た人からブログ誉められると思わないよね」との事でした。
また、ついこないだ作品を読んでもらったのですが
> ルッソの訳をもってくるあたりお洒落。
ルッソがどなたか知らないけれど
とのお言葉を頂いております。
【雑記】
キャラ付け
兄: ガジェット好き
弟: 普通
としていましたので
兄: Kindle
弟: キンドル
という小癪な書き分けをしています。わざわざ地の文で「ゴリラガラス」と表記したのも、その性格付けによるものです。
・作中で仄めかしたマンガとアニメ
”鬼狩りのマンガ”
”ヒーロー学校のマンガ”
”絵描きのマンガ”
”生徒会のマンガ”
”アマプラでやってる電脳探偵の話”
”女子高生が南極いくやつ”
それぞれ
「鬼滅の刃」
「僕のヒーロアカデミア」
「アルテ」
「かぐや様は告らせたい」
「電脳コイル」
「宇宙よりも遠い場所」
電脳コイルは未だに見ていないので、仄めかしが適切かどうかちょっと自信ありません。
・レナート・ルッソ
ブラジルの80年代を風靡したロックバンド「レジアン・ウルバーナ」のボーカル。1996年に死去。
引用した歌詞は"Pais e Filhos"のサビから。
"É preciso amar as pessoas
Como se não houvesse amanhã
Porque se você parar pra pensar
Na verdade não há"
今回は以上!
主催のイトリさんと闇の評議員の皆様、お疲れさまでした。
そして作品にお立ち寄り頂いた皆様、ありがとうございました。
兄弟ともに元気です。
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