「第4惑星の生存」について
ネタがないならサイズで勝負よ。ビバ、巨艦大砲主義。
・もしも地球そのものが、惑星に擬態している待ち伏せ型捕食者だったら
捕食者がさらに大きな捕食者に喰われる、と言うのを惑星スケールでやります。
最終的に舞台から誰もいなくなるあたりは、別作「爪」と同じ系統だなぁと思いました。どうやら帆多はそういうの好きっぽい。
やることは決まったので、宇宙や惑星についての手持ちの知識を総動員して形にしていきます。
舞台を太陽系にしようかと思ってましたが、いろいろ面倒くさいので却下。架空の惑星系とします。知的生命体の住む星が地球でないことを手っ取り早く示すために「第4惑星」としました。
語り口については三人称で、できるだけ遠景から書くことにします。NHKスペシャルのイメージです。
ほぼみんな死ぬ。
宇宙は冷たい。
最後は誰もいなくなる。
そういう展開になるので、あまり個々の事象に深入りするとしんどさばかりが先に立ちそうだと予想しました。
ストーリーはシンプルですので、書き出してからは特に詰まる事もなく淡々と進みます。しかし、文字数の下限に達しないまま話が終わりそうになりました。1400字ぐらいで山場の捕食が始まろうとしている。
遠景の描写だと展開はやいね。
とにかく、下限をクリアしないことにはどうしようもない。そこから盛ります盛ります。
どこをどう盛ったかあんまり記憶がないんですけど、とりあえず中盤、第9惑星崩壊を観測した知的生命体のコメントはもっと短く、セリフ調でもありませんでした。
セリフ調にしたのは、シンプルにレイアウトが寂しかったって言うのと、ここでちょっと一息つきたいなと思ったからです。
地の文ばかりで疲れたとです。
かぎかっこが恋しくなったとです。
一息ついたら、宇宙船出立後の惑星の様子を書き足し。
楽に死ぬ方法が求められて、それを売った結果、今更お金持ちになってしまった生命体がお気に入りです。
こんな事を言えるのは、舞台を地球以外の星としたからです。
余談。
昔、地球が公転軌道を外へ(火星側へ)と
なので地球でこの話やるのは帆多的に無理。立ち直れる気がしません。
架空の世界なら60億人死なせるくせに。
はい、話を戻します。
宇宙は冷たいのです。
ええと、クエーサー? みたいな現象で発せられた太陽の何千倍も大きなエネルギーを含む電磁波が、明日の地球に到達するのだとしても、光速で移動する電磁波を前もって観測する手段はありませんもの。容赦という概念がない。
実はいつ終わるとも知れない歴史の上に僕らはいるようです。
我々は超幸運の
第4惑星の彼らは、ひとえに不運でした。
翻って、第4惑星自体は幸運です。
補食を経て繁殖まで終えられたので、動物の生涯としては満点です。今頃は光子の風を受けてどこへともなく推進している事でしょう。
【その他】
透明な球体が「質量」を摂取するのは最初の段階で出ていました。第4惑星の捕食方法は、書きながら考えました。
最初は、
球体が第4惑星の大気圏に接触 → 気体の圧縮熱と衝撃波で生命が絶滅 → その後、地殻に浸透してきた球体を惑星がゆっくり捕食
と考えてましたが、ちょっと絵が地味だし何より字数を稼ぎたい。
ならば惑星くん、変形したまえ! 謎のノリに従って惑星が変形を開始します。
鉤をさして、球体の中身をちゅうちゅう吸った所までは良かったのですが、惑星には繁殖後、旅立ってもらわなくてはなりません。
恒星の重力に引かれ続けているので、反作用による脱出はちょっと難しそうです。どうしよう。
そんなとき、ガンダムが僕にアイデアをくれました。
スターゲイザー。
光を帆に受けて推進するガンダムです。元ネタは太陽帆か。なるほどなるほど。
さきほど惑星を変形させたノリが僕を救います。湾曲した円形に変形した惑星の子供たちが、光子をその身に受けて旅立っていきました。
・タイトルは最初「第4惑星」だったのですが、「第9地区(未視聴)」を連想してしまったので、何か足そうと考えました。
「第4惑星の旅立ち」にしようかとも思ったんですが、宇宙は冷たいと思って書いた内容に対して「旅立ち」はどうにも温かい。
それで、生存競争の話だし、「生存」はどうだろうと思いました。
第4惑星には生命体が住んでいましたから、これならいい感じにミスリードできそうです。それで「第4惑星の生存」
エピソードタイトルは、何度か読み返して思いつきました。
知的生命たちも、第4惑星の子たちも旅立っているのですが、前者は喜びをもって迎えられた旅ではなく、後者の旅立ちには祝福する主体がありません。
わぁ、びっくり。いい感じにつながってくれたぞ、ということで「旅立ちに祝福する者なく」です。
そして誰もいなくなった(未読)。
・ガンダム以外で思い出せるネタ元
ホワット・イフ?(What if?)
ピッチャーの第一球が光の速さだったらどうなるかを解説したことで有名な本。
天元突破グレンラガン、トップを狙え2、クロノトリガー
銀河系を手づかみしてフリスビーみたいに投げるロボ。地球をハンマー代わりに怪獣にぶつけようとするロボ。惑星にとりついて喰う怪物。
このあたりからの発想のミックスアップはあったと思う。
我々の地球も、はるか遠い将来には太陽に飲まれることが予測されていますので、そうすると未来ってなんだろうと暗澹たる気持ちになったりもするんですが、そのあたり天文学者のメンタルってどうなってるんでしょう。
とにもかくにも、ニュートンに習ってリンゴの木を植えるしかないですね。
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