61話から91話までの話

 続編ってキツいね。


 というのを結構感じました。

 続編もなにも、完結してないじゃんって所なんですが、とにかく思いつきドンでは進まない。


 そんなこんなで苦手意識のあった61話 - 91話(みっつめ)ですが、読み返したらわりとちゃんとしてた。よかった。

 

 港町を舞台にした次の「よっつめ」につなぐための、軽めの章で考えていましたが、気づけばがっつり書いていました。いずれ主役の出生を語るにあたって、彼の家やこの村の人々の事は絶対に外せない点でしたので、それはそうなって当然だったなと思います。仕込んだ情報も多いです。


 アルルの人間関係も、年の離れた姉、年の近い幼なじみ、年下の妹、とここで一気に増えており、また、黒猫ヨゾラもここで初めてヒトのコミュニティーに所属する事になります。


 実家で幽霊と同居していたり、週一で妖精の作った夕食を食べていたりと、魔法使いの実家を考えるのは楽しかったです。



★舞台

 主役の故郷、農村ララカウァラ。森と畑と実家と隣家が主な舞台です。


 前章60話からの帰り道もちゃんと書く。

 話のテンポを考えたら、すぐに次を始めた方が良いのかもと思いましたが、この作品はこれで行こうと決めたのがここです。


 この章と次の章を合わせて「第二部」と思っていましたので、次章に向けた下準備をここで行っていたりします。

 そのあたり、だんだん慣れてきてたのかな、と思います。


★名付け


☆ペブル・スティオ

 アルルの養父。デカくてゴツい造形で考えていたので、石っぽい名前。石起源でペドロを思い付きましたが、ちょっとバイアスが強すぎるなと思ったので、小石の方で。

 あと、アルルと名前を似せたかった。


 父親ですので当然ですが、主役の過去にも関わります。ですので執筆開始時から設定がある程度固まっていました。名前が英語から着想されているのもそのせいです。


 また、アルルに母親が居ないこと、父と血がつながらないこと、姓が違うことなどが明示されます。


☆ホップ

 巨大な蛙。ペブルの使い魔。執事タイプ。口うるさい。

 蛙は跳ねるからホップ。

 名付け親(ペブル)は外国語由来のイカした名前だと思っている。

 主役の猫と仲がわるい。


☆エカ・アウララ = イォッテ

 隣のおばさん。○○おばさん、と呼ばれる予定だったので、なるべく短い名前がよかった。

 舞台のモデル地域の人名辞典から姓名をピックアップしました。

 既婚女性には夫の姓を追加する、という決まりにして、名前が三つです。


 ララカウァラは小さな村なので、人間関係も村中に広がっているはずですが、覚え切れませんし煩雑になるので、作中ではこの2家族で関係性をある程度限定させました。


☆隣の三姉妹

 嫁ぎ先から帰ってきた長女。

 離れた街で働く次女。

 村で結婚、出産した三女。


 姉妹なので名前を似せた上で、混乱を防ぐために通称を設定。


 長女ファビオラ → ファビねえ

 次女フラヴィア → フラビー

 三女フーヴィア → フビッカ


 三女の通称にはなにか縮小辞(ロナウジーニョの" イーニョ" みたいな)を作ろうと考えてました。

 「○○の子」としての「○○ビク」「○○ビカ」はすでにあったので、それをもう少し愛らしくする方向でできたのが「ビッコ」「ビッカ」です。

 

 このあたりは考えていて楽しかったです。


 三人とも違う立場にしようと考えていて、長女には気の毒ですが、嫁ぎ先が意地悪だったことにしました。


 次章で港町へ行くことは決めていたので、次女の働く先もそこです。何をさせるかは決まっていませんでしたが、いれば何かできるだろうと企んでましたし、実際よくやってくれました。



☆エルク

 アルル幼なじみの男。フーヴィアの夫。寄り道ぐせあり。

 隣町の親戚の所まで娘のオムツやらなにやらを借りに行き、帰ってこなかった事でこの章の事件が始まります。

 


☆グッカ

 三姉妹三女の娘。赤ん坊。祖母がエカ、父がエルク、母がフーヴィアと、アルファベットでE, Fと来てたので、Gを使う名前にしました。音の座りが良いのでグッカです。

 縮小辞がつくとグビッカ、反復縮小でグビッカビッカとなり、後の章で叔母にそう呼ばせました。


森の淑女モッサナフロレッタ

 彼女は人ではなく、森で人間の男性を迷わせる「不思議なもの」です。この章には悪役はおらず、彼女に関係した小さな騒動が軸となります。 



★ストーリーの着想

 物語全体に関係してくる情報として、アルルの性的不能は提示しておく必要がありました。また「何もできなかった」というのも一度体験させておきたいポイントでした。


 そこでいくつかためて置いた「不思議なもの(ざっくり妖怪や妖精)」のリストを見返し、人を迷わせる怪奇現象の主「森の淑女」を組み立てて行くことになります。

 男を誘惑し、性交渉が完了するまで帰してくれない。それまでは甲斐甲斐しく面倒を見てくれる奇妙な存在。

 人と交わることで眷族を増やす。しかし産まれて来るのはヒトではない、という一例の提示です。


 最初はアルルが直接迷い込む形で考えましたが、あまりピンと来ず、作者がうだうだしてる間に彼が村まで帰ってきてしまいました。


 三姉妹の設定はできあがっていたので、それなら三女の夫が迷い込んだ事にしようと思った頃には、アルルは当の三女に会っていたように思います。

 

 そして、人探しの展開になりました。


 魔法のネタ帳に「手紙を届けるカケス」の設定ができていたので、あとは追跡、交渉、帰還です。

 アルルは出来ることを頑張りましたが、上手く行かない事もある。

 結局父の助けで解決です。


 当初の予定通り、学友からの手紙を受けて主役は次の舞台である港町へと出立して行きました。

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