声ノ彼方ニ
梅干し
第1話
『あー…ねっむ…』
大きい欠伸をしながら大学に向け歩く
それはいつもの朝。
毎日変わりなく日々を生きている。
毎日毎日働きアリの如く生活をし、家にはほぼ寝に帰るだけ。
せっかくの大学生活もバイトバイトで友人関係はほとんどゼロだ。
唯一の友人達も最近は顔を合わすと『目が死んでいる』『顔色が雪原よりも白い』と言われる始末。
『朝日が眩しい…』
思わず立ち止まり空を見上げ、眩しさに手をかざす。
ーーこんな毎日に、いつもと変わらない朝に
俺は君に出会った。
トントン
『んっ?』
立ち止まった俺の肩に小さな衝撃が
振り向くと俺より頭が一つ分小さい女性がおり、俺の肩を叩いていた。
ーーそれは本当に偶然で、その出会いで俺の毎日に色がつき始めたから。
『んーっと?』
疑問を込めた顔で見つめる
そんな小さくて、可愛らしい女性は手に持っていたスマホをこちらに向け、画面を見せてきた。
【突然すいません、ここら辺に学生証落ちてませんでしたか?】
ーーそんな、声の無い、君に
ーーーーーーーーーーーーーー
働きアリの彼
目が死ぬぐらい疲れ果てた人
彼女に出会い運命を感じた
声の無い子
学生証を落として大慌て
とりあえず近くにいた背の高い男の人にドキドキしながら接触を試みる
振り向いた時、彼の目をみて
(お魚食べたい)と思った
友人A
目が死んでる発言の友
大学生活を満喫中
イケメンだけどどこか残念
絶賛彼女募集中
友人B
顔色雪原発言友
大学生活満喫できず
自分磨きを頑張るが見向きもされず
現在の目標はバストアップ
声ノ彼方ニ 梅干し @yukimaru62
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