薬莢(5.9)



 【自己検閲により、最終段落まで削除】




 「戻ってきたら、セガワ殺すよ」

 大きなポリ袋にイルハアムの遺体を淡々と詰め込んでいる少女に向かって、マーノーシュが言った。マーノーシュは牢屋の中から少女の作業を見ている。

 「一週間後にしましょう。今は無理だと思う。あなたの動きは凄いけど、スタンガンを持ちながら最大限に警戒している成人男性を殺すには、条件が悪いよ。失敗する可能性のほうが高いと思う」少女は無表情で答えながら、ポリ袋に詰め込んだイルハアムの遺体を、大きなスーツケースの中に仕舞った。

 「つらい」マーノーシュが呟いた。

 「うん」スーツケースを撫でながら、少女が頷いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る