ソウルタワー

 ソウルきってのパワースポットが、Nソウルタワーです。

 以前は南山ナムサンタワーという名前でした。

 ここは韓国のドラマにもよく出てくるデートスポットでもあります。

 韓国の代表的な観光地であるNソウルタワーの写真がきれいに撮れたので、この『うんばんうる』の表紙絵にしました。

 

 地下鉄四号線明洞駅からそれなりに歩きますが、南山のふもとまでくると、ケーブルカーの駅まで南山オルミというエレベーターがあります。

 ケーブルカーは有料ですが、このエレベーターは無料です。

 

 エレベーターの中で、乗り合わせた韓国人のおじさんに話しかけられました。

 まだ韓国語の実力が初級程度の私は、おじさんの話が半分も理解できませんでした。

 登山服を着ていたので、どうやらおじさんは南山を登山するようです。

 登山道が整備されているので、徒歩でも登れます。

 

 ちょっと脱線しますが、韓国に住んでた頃も、旅行で行っても、よく現地の人に声をかけられます。

 なにかの勧誘だったり、道を聞かれたり。

 一番多いのが、道を聞かれることなのですが、まわりに韓国人がたくさんいるのにもかかわらず、道に迷った韓国人は、よりによって外国人である私に道を聞くのです。

 一人でいると韓国人に見えるんでしょうか……?

 私はそういうときはまっさきにあやまって、道がわからないことを伝えます。

 たとえ韓国語が堪能だとしても、聞かれた場所がわからないので、教えてあげられません。

 勧誘や寄付の場合は、

「外国人だから韓国語がわかりません」

と練習しておいた韓国語で断るのですが、韓国人はけっこう日本語ができる人がいて、日本語で勧誘されてしまいます。

 そういうときはお金がないからとか、興味がないからと言って、断わるしかありません……(汗)

 ちなみに韓国語で断るとき。

외국인이라서ウェグギニラソ 한국어를ハングゴル  チャル 못해요モッテヨ

 これを言えばあきらめてくれるかな?と思ったのですが、

チャ 하시잖아요ラシジャナヨ(お上手じゃないですか)」

と言われてしまいます。

 なので寄付は、

지금チグム 돈이トニ 없어요オプソヨ(今お金がないです)」

と断ります。

 勧誘なら、

흥미없어요フンミオプソヨ(興味ないです)」

 あやまるときは、

죄송합니다チェソンハムニダ(すいません)」

と言います。

 あやまりかたは初対面の人や目上の人にも使えるかしこまった言い方です。

 いっそのこと練習せずに、日本語で答えるほうが得策です。

 

 ケーブルカーに乗りたかったのですが、ちょうど工事中で乗れませんでした……(泣)

 扉に貼ってあるお知らせを読むと、バスが出ているそうなのですが、市内循環バスは初めてだし、ケーブルカーに乗るつもりでいたからまったく下調べしていないし……

 けれど登山をする気もなかったので、一か八かバスに乗ってみました。


 バスは南山に行かずに市内に出てしまいました!

 まちがったバスに乗ってしまったと思いきや、市内を通って山の中へ。

 韓国のバスは次の停留所と、その先の停留所をアナウンスします。

 次かなっと思ったところで、運転手さんに聞いてみたら、

「次」

と、簡潔に答えてくれました。

 教えてくれたとおりにバス停で降りると、きつい登り坂が待っています……

 登り坂がきつかったので、どれくらいかかったのか覚えていません。

 平坦だったら五分もかからない距離なのかもしれませんが。


 登り切ったところに、Nソウルタワーがそびえていました。

 タワーのまわりはソウル市内を見渡せる展望台になっていて、その手すりという手すりに恋人達の錠がかけられています。

 カラフルな南京錠がびっしりとぶら下がっている様子は、芸術的にすら見えてきます。

 展望台だけでなく、ケーブルカー乗り場に行く途中の手すりにもびっしり。

 新しく錠をかけたい人は、どこにかければいいのか、迷ってしまうぐらいです。

 この南京錠は売店で気軽に買うことができます。

 一緒についているペンで自分と恋人の名前を書いて、南山で鍵をかけて永遠の愛を誓うのだそうです。

 

 せっかくタワーにきたのに、私は登りませんでした。

 山上にそびえるタワーです。

 きっとものすごく高いだろうと思われます。

 その日もいい天気だったので、今にしてみれば登ればよかったと思います。

 広場をウロウロするにはお金はかかりませんが、タワーに登るには1,000円かかります。

 

 広場からも景色がよかったので、結局タワーのまわりをウロウロしただけなのですが、まわりはちょっとした広場になっていて、休憩できるベンチがあったり、花壇があったり、展望台や売店やレストランやカフェもあります。

 展望台のそばに八角亭という伝統家屋の東屋があります。

 日ざしが強かったので、観光客が何人も東屋で休憩していました。

 そして烽燧のろし台があります。

 緊急事態を烽燧で知らせるために設置されたそうですが、はしっこにあるので、他は観光客でにぎわっているのに、そこだけはひっそりしていました。

 

 烽燧台だと知らず、通りすぎようとしたときのこと。

 時代劇の衣装を着た男の人達数人と私はすれちがいました!

 刀とか槍とか(本物ではないと思いますが)を持って、一列に並び、どこからか行進してきました。

 この烽燧台を守護する人達です!

 Nソウルタワーで時代劇の衣装を身にまとった人達に会えると思っていなかったので、ラッキーでした。

 衣装がカッコよかったです!

 隊長らしきおじさんが、観光客の求めに応じて、一緒に写真撮影していていました。

 隊長さんにこやかで、なんとなくほほえましかったです。


 帰る前にお昼ご飯を食べようと、タワー内のレストランに入りました。

 まだプルコギを食べたことがなかったので、プルコギ定食を注文しました。

 プルコギは辛くなく、しょう油ベースのすき焼きのような味で、とてもおいしかったです。

 キムチと菜っ葉の漬物と、豆とジャコの和物と、焼き海苔と、ゴボウのような野菜のおかずもついてきました。

 お昼時をずらして入店したので、あまり混んでいませんでした。

 観光客がたくさんいたので、もしお昼時だったら、すごく混んでいたかもしれません。


 私は日中に行きましたが、夜景がとてもきれいだそうです。

 いつか夜景を見に行きたいと思います。

 そのときはケーブルカーが工事中でないことを祈るばかりです……

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