仁寺洞(インサドン)

 韓国の伝統茶を飲みたくて、仁寺洞に行ってきました。

 仁寺洞は韓国の伝統工芸品のお土産物や雑貨が買えるところです。

 建物も昔の家屋を改装してお店にしているところもあり、近代的な建物もあり、独特の雰囲気が漂っています。


 地下鉄三号線安国アングッ駅を降りて歩いて五分くらいでしたでしょうか、仁寺洞通りの入り口にたどり着きます。

 民芸品を売っている小さなお店が並ぶこの並木道が、仁寺洞通りです。

 日中は歩行者天国になり、安心して歩くことができます。

 メインの通りが人気の観光地ですが、路地に入ると伝統家屋を改装したカフェや食堂もあります。

 安国駅から仁寺洞通りに向かう道すがら、小さい屋台がたくさん並んでいます。

 それぞれのお店で、お土産物や雑貨が売っています。

 通りの入り口には観光案内所があって、観光案内図をもらうことができます。


 その日は雨が降っているのにもかかわらず、たくさんの観光客でいっぱいでした。

 それも外国人よりも韓国人の方が圧倒的に多い!

 韓国人にも人気の観光地のようです。


 お土産物屋では木彫りのお面がたくさん売っていました。

 家に飾ると福がくるそうなので、おじいさんとおばあさんの小さいキーホルダーを買ってみました。

 日本の友達と友達の家族には、金属製の透かし彫りのしおりを買いました。

 日本にもこの金属製のしおりは売っていますが、透かし彫りの模様がいかにも韓国の伝統の柄で、とてもきれいでした。

 種類が豊富で縁起がいい模様もあったので、友達にはなにがいいかな、なんて考えながら選ぶのがとても楽しかったです。


 私が行きたかった伝統茶のお店を探している道すがら、韓服を現代風にデザインするショップがありました。

 ショーウィンドウに薄紅色の、まるでドレスのような韓服が飾られていたのですが、とてもきれいでした。

 まだ韓服を着たことがないのですが、こんなきれいな韓服を着てみたいと思いました。


 伝統茶のお店をなかなか見つけることができず、私は路地裏で少し迷ってしまいました(汗)

 案内図をもらったのにもかかわらず!です。

 耕仁キョンイン美術館という美術館の中にあるのですぐ見つけられるだろうと思っていたのですが、通り沿いではなく、わき道に入って、さらにわき道を入らないとわからないところにそのお店はありました。

 仁寺洞はメイン通りはわかりやすいのですが、裏路地に入ってしまうと入り組んでいるので、あんがい迷いやすいです。

 

 耕仁美術館は、緑の木々が枝をさしかわす敷地に、韓国の伝統家屋がいくつか立ち並ぶ、しっとりとした静かな空間でした。

 雨にぬれた幹が黒く、緑が濃く、家屋の白壁が白く、雨に洗われた空気はすがすがしいすてきなところでした。

 

 美術館といっても近代的な建物ではなく、伝統家屋の内装を改装したところに、現代美術を展示しています。

 なので、展示スペースはこじんまりとしています。

 私が訪れた日は、絵画が展示されていました。

 無料で自由に観覧できるので、せっかくなので帰りぎわ鑑賞しました。

 

 美術品を展示している家屋とは別に、伝統茶を飲めるカフェがあります。

 あまり人がいないのかと思っていたら、お店にはけっこうお客さんがきていて、日本人の母娘のお客さんもいました。

 座敷席もありましたが、そこはもうお客さんで埋まっていたので、テーブル席に座ったのですが、ガラスの天板の下には、お客さんのメッセージがたくさんはさまれていました。

 丸太に座布団がのっかっているだけの素朴な椅子に座り、メニューを開きます。

 

 初めかりん茶を注文しようと思いましたが、冬期限定だったので、なつめ茶を注文しました。

 お茶なのですぐに出てくると思ったら、注文してから時間がかかりました。

 お客が注文してから、お茶を煎じるのでしょうか。

 なつめ茶と油菓ユグァという伝統菓子韓菓ハングァが一緒に出てきました。

 なつめ茶はスーパーで売っているインスタントと比べると、なつめのドライフルーツを食べているかのようにとても濃厚でドロドロしています。

 油菓は食感がふがしのように表面はさくっとしていて、中はスカスカです。

 発酵させた餅米を油で揚げたお菓子ですが、ほんのり甘くて、脂っこくありません。

 文字で表現するとまったくおいしくなさそうですが、私はどちらもおいしかったです。

 ドライのプルーンをおいしいと感じる人は、なつめ茶もおいしいと感じると思います。

 雰囲気がよかったので、また同じお店で、今度はちがうお茶を飲んでみたいです。


 仁寺洞でお昼ご飯を食べようと食堂を探していたとき、伝統家屋を改装した雰囲気がある食堂にしようかと思いましたが、高いし、単品のメニューもないし、お昼に一人で食べきれないだろうということで、普通のおかゆ屋さんに入りました。

 おかゆは家で作って食べるものと思っていた私は、おかゆ専門店でおかゆを食べるのは人生初めてで、しかもおかゆなのにって思うくらいけっこういい値段でした。

 その代わり、ボリューム満点で、おかずがたくさんついてきます。

 おかゆの具材もアワビとか牡蠣とかエビとかお肉とか、日本のおかゆには入れないような高級食材を入れたものがあります。

 私は牡蠣のおかゆを頼みました。

 おかずは辛いキムチが二種類と水キムチと、あともう一品くらいあったのですが、忘れてしまいました……

 初めて水キムチを食べたというか飲んだのですが、さわやかでとてもおいしかったです。

 

 その後旅行で再度韓国を訪れたとき、この店のおかゆがおいしかったので、明洞で日本のグルメ番組でも紹介されたというおかゆ店に入ったのですが、仁寺洞のおかゆ屋さんのようなおいしさは感じられませんでした。

 水キムチもついてなかったような気がします。

 韓国では消化のよさから朝ごはんや病気のときに食べるものらしいのですが、ボリュームがあるのでお昼ご飯でもじゅうぶん満足できると思います。

 お昼ご飯をしっかり食べるのもいいですが、食べ物の屋台もあるので、軽めにして伝統茶を楽しんだり、屋台でおやつを買うのもいいかもしれません。

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