うんばんうる

風邪をひいてしまった......

　三月の韓国は寒かったです……(泣)

　私は北海道道民ですが、ソウルも道南と同じくらい冬は気温が下がります。

　おまけにコシウォンは、オンドルがついているのかいないのか、わからないくらい寒い……

　私が住んでいたコシウォンだけでなく、他のコシウォンも冬は寒くて夏は暑いようです。

　もちろんエアコンが付いているコシウォンもあります。

　そういうところにうまく宿泊できればいいのですが、よいところはすぐにいっぱいになってしまいます。

　教室も寒かったです。

　二級のときの教室は窓があるのですが、真ん中あたりに換気扇がついていて、なぜか換気扇と窓の接続部分にすき間があいていました。

　冷気が入り放題……（泣）

　しかもヒーターのすぐ前の席に座っている生徒が暑くなってしまい、すぐ消してしまうので、いつも寒かったです。（中国の留学生の気持ちもわかります）

　冬学期からきている中国人留学生達は、風邪をひいている人達が多かったです。

　しかも教室がせまいので、とうとう私も風邪をもらってしまいました......

　先生が言うには

「韓国の風邪は強い」

そうです。

　感染力が強いのか、なかなか治らないのか、症状がひどいのか、何が強いのかはよくわからなかったのですが、何年間も風邪やインフルエンザにかからない私が風邪をひいたのだから、納得です！

　熱も出たのですが、病院に行く勇気がありません……

　韓国の健康保険に入っていないので、100%自己負担！

　さらにお医者さんに病状を伝えられる自信がありません……

　普段でもしどろもどろなのに、具合が悪いときに、韓国語がスラスラ出てくるはずがありません！

　日本から持ってきていた薬を飲んで、ベッドに横になって治るのをひたすら待つ。

　そんなことをしていたら、薬があっという間になくなってしまいました……

　韓国は風邪も強いのですが、薬も強いそうです。

　なので日本人の体にも合う薬はないかと、韓国に留学経験のある日本人ブログを検索しているうちに、それほど強くない薬が紹介されていました。

　お湯にとかすタイプのビタミン剤のような風邪薬で、その人の体にも合うそうです。

　写真も掲載されていたので、スマホでスクリーンショットを撮っておき、ネットでコシウォン付近の薬局を探しました。

　できるだけ近くがいいなぁと思いつつも、なかなか見つからず、具合悪いのに遠くまで歩いていかなければならないのかとがっかりしました。

　その頃にはだいぶ具合がよくなったのですが、念のため薬を買っておこうと思い、見つけた薬局に行こうとしたときのこと。

　コシウォンは大通りからわき道を少し入ったところにあるのですが、大通りに出て、ふと左を見たとたん！

　小さいながら薬局がありました！

　一生懸命ネットで調べたのに、こんな近くにあったとは……

　薬局は小さいのですが、壁にびっしりと薬がたくさん並んでいました。

　熟年夫婦が経営している薬局でした。

　お店の人が見てる前であれこれ探すよりはと思い、薬の写真を見せて

「ありますか？」

とたずねると、すぐに出してくれました。

　お金を払ってお店を出ようとすると、

「温かい水で」

と、奥さんらしき人が教えてくれました。

　優しい口調に、心が温まりました。

　思いがけなく話しかけられると、日本語でも何を言っているかわからないときがありますが、なぜか聞き取れたんです。

　韓国語で、

「따뜻한 물로（ッタットゥタン　ムルロ）」

といいますが、ゆっくり声をかけてくれたので、聞き取れました。

　たぶん私が外国人だと気づいたのでしょう。

　薬の飲み方がわからないだろうと思い、教えてくれたのだと思います。

　ほんの小さなことなのですが、知り合いもいないなれない土地で、見知らぬ人に親切にしてもらうとほっこりします。

　薬はレモンっぽい味がしました。

　昼用と夜用がありますが、私は両方買いました。

　効き目はどうかというと、もう治りかけていたのでよくわからなかったのですが、免疫力を高めてくれるという意味ではよい薬だと思います。

　飲めばあっという間に治る！！！

　というわけではありませんが、ゆるやかに体の調子を整えていってくれるというような感じでした。

　その後も風邪をひきましたが、同じ薬局でこの薬を買って、飲んではコシウォンのベッドで治るのを待つ。

　ただひたすらそのくり返し……(泣)

　海外で小さな部屋で病気で一人で寝ていると、普段能天気な私でもわびしさがつのります……

　海外で風邪をひいて後悔したことは、日本の薬をあまり持っていかなかったということと、体温計を忘れたことです。

　もう一つ、留学生用の保険に入らなかったこと。

　半年間だけだから大丈夫だろうと高を括って入らなかったのですが、風邪をひいただけですんでよかったです。

　通学道路はせまかったので、車が私ギリギリをとおっていくたびに、いつかひかれると思いました。

　ソウルは思った以上に安全でしたが、もしかしたら事件に巻き込まれてケガをするかもしれません！

　日本の健康保険は海外の病院で治療を受けたとき、日本に帰ってきて申請すれば給付金が受け取れるそうです。

　その際には医師の証明書が必要だそうです。

　私は無収入で健康保険を使わないのに、保険料を払い続けるのが負担だったので、いったん退会してしまったのですが、日本に帰ってきて再度加入したら、退会していた間の保険料も結局払わなければなりませんでした……

　留学を考えているなら、長期・短期かかわらず、留学生用の保険に加入することも考えた方がいいかもしれません。