半年間住む所

 韓国で留学生活を送る上で重要なこと、それは宿所です!

 

 建国大学は希望すれば全員寄宿舎に入ることができますが、留学生は基本2人部屋で、ルームメイトを自分で選ぶことができません。

 大学のほうで同じ国同士の生徒を組み合わせてくれるようですが、必ずしも同じ国の人とはかぎりません。

 最初の学期はルームメイトが日本人だったのに、次の学期には別の国の人だった日本人留学生もいます。

 私は日本人だとしても知らない人と相部屋というのが苦手なので、コシウォンという韓国特有の宿所にしました。


 コシウォンとは、昔科挙かきょを受けるために上京した人達が泊まる施設でした。

 科挙とは官僚登用試験のことで、現代で言う国家公務員試験のようなものです。

 コシウォンには現代では社会人や海外の旅行者も宿泊します。

 便利なことに居住期間が一ヶ月から契約できます。

 ワンルームはほとんどが一年契約だから、一ヶ月から契約できるのは半年留学の私にとってありがたいことでした。


 コシウォンによって設備は違いますが、机とベッドとテレビ、クローゼット、カラーボックス、トイレ、シャワーが付いていて、電気代、水道代が家賃に含まれています。

 台所と洗濯機と物干し台は共同ですが、台所にある冷蔵庫にはキムチが常備されていて、自由に食べることができます。

 台所で使う調味料や光熱費も基本無料です。

 有線と無線のインターネットも無料でした。

 オートロックの所もあります。

 私が住んでいたところは普通の鍵でしたが。

 しかも建物が古いのか、鍵のかかりぐあいもなんか頼りなかったです……

 激しくガチャガチャやったら開いてしまいそうな……

 本当はオートロックのコシウォンが良かったのですが、人気があってすぐいっぱいになってしまって、住むことができませんでした。

 そして男女は別々の階にわかれているところが多いです。


 私が住んでいた所はご飯と袋ラーメン(辛いです)とキムチと、ウォータクーラーの水が無料でした。

 でもいつ炊いたご飯かわからないくらい黄色くなっているし、キムチもいつ買ったのかわからなかったので、ラーメンしか食べませんでした。

 まめな管理人さんだと手作りのおかずを冷蔵庫に入れてくれたりするようです。

 そこは事務処理を担当する管理人さんと、居住者の生活を助ける寮母さんのような人が別々に存在していました。

 普段管理人さんは宿所にはおらず、問題が起こったときはみんな管理人さんに連絡して、来てもらって解決してもらいます。

 私も洗濯機が故障したときと、更新の手続きをするときに来てもらいました。


 留学会社からは大学に近いコシウォンを五ヶ所紹介されました。

 韓国のコシウォンは入居ギリギリに契約します。

 なので会社からの案内メールも遅かったし、じっくり選びたいのに「いっぱいになってしまうので早く選んでください」と急かされました。

 そのせいかゆっくり選ぶことができませんでした。

 

 会社からの案内メールだけでなく、ネットでもそれらのコシウォンを検索してみましたが、ネットで公開している写真は新築当時のものなので、きれいです。

 実際は古かったです。

 壁紙もよれてるしはがれているし、ベッドはクッションがなくなっていてスプリングの形がわかるほど!

 机のへりもガサガサでした。

 私が住んでいた所だけかなと思い、日本人の留学友達に聞いてみたら、「ネットの写真は詐欺だよ」と笑ってました。

 狭さは写真と実際も大差なかったです。

 むしろ思っていたより少し広かったです。

 半年間暮らせるだけのシャンプーやら化粧品やらもろもろを日本から送ったのですが、ダンボールごと置くことができましたし、さらにスーツケースを置いても歩けるスペースがありました。

 クーラーもあったので、夏はありがたかったです。

 ない所もあります。

 エレベーターもありましたが、これもコシウォンによってはないところがあり、三階とか四階まで階段を上り下りしなければなりません。

 だいたいビルの一階はコンビニとか食堂が入っていて二階以上が宿所になっています。


 建国大学の寄宿舎は半年間入居できますが、それ以上は退居しなければならなく、日本人留学生の友達たちは自力でコシウォンを探していました。

 アパートに住んでいる中国人留学生もいました。

 もっと韓国人と交流したいと思うなら下宿という手もあるし、お金持ちの人は掃除をしてくれるホテルのようなレジデンスという選択肢もあります。

 シェアハウスもあります。

 日本人のクラスメートの中には、外国人たちともっと交流したいと言ってシェアハウスに住むのを決めた人もいました。

 

 なるべく節約したい私はコシウォンに決めましたが、もし自力で契約できるなら韓国で直接契約することをお勧めします。

 留学会社を仲介すると手配手数料が高いし、一ヶ月の家賃も二倍です!

 ネットではまず一ヶ月契約して、気に入らなかったらその一ヶ月の間に別のところを探して引っ越せばいいとあったので、とりあえず一ヶ月と思っていたのですが、会社側は三ヶ月契約だと言ってきました。

 後になって知ったのですが、三ヶ月前払いすると割引になるそうです。

 割引になることも会社が差額分をどうしたのかも教えてくれません。

 留学するまでは対応も悪くなかったのですが、留学してしまうととたんに対応が悪くなって、一ヶ月すぎる頃にはその会社とは連絡をたっていたので、更新月には韓国人の管理人さんと直接更新契約をしました。

 直接家賃を払うととにかく安い!

 前払いする月数が多ければそれだけ割引になるようですが、その代わり契約途中で引越ししても家賃は戻ってきません。


 住む所は本当に大事です!

 快適なら韓国語の勉強に集中できます。

 でも半年間だけだったので、結局六ヶ月間同じコシウォンに住みつづけました。

 なぜなら車も自転車もない外国生活で、引っ越すのがたいへんだし、おっくうだったからです。


 コシウォンに実際に住んでみてどんな所だったのかは、また後ほど書きたいと思います。


 

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