第64話
「ただいま帰りましたー」
現場調査から帰って来たオカは色々と歩き回って疲れたのか、パラノーマルの事務所に着くと直ぐに座り込んでしまう。
「あー、疲れたー」
「オカ、こんなんで疲れるとか情けないぞ」
「俺をパークさんと一緒にしないで下さいよー」
距離にして10キロは優に歩いたオカは普段そこまで歩かない為疲れたらしい。
「はは、オカ君達帰って来たんだね」
「ヒューズさん、ただいま戻りました」
「うん、お帰り。何か収穫はあったかい?」
ヒューズが出迎えてくれて、オカ達にどうだったかを聞く。
「ダメだ。収穫は一切無しだな」
「そうか……」
「詳しくは、プルさんが来た時に言うよ。ヒューズ達の方は何か収穫あったのか?」
現場で何も収穫を得られなかった為、せめてヒューズ班で何か無かったかパークは気になり聞く。
「うーん、こちらも似た様なものだね。収穫は無し」
(やっぱり、そう簡単には見つからないか……)
「オカ、お帰り。何も無かったって?」
「お帰り……」
「二人共、ただいま。そうなんだよ、かなり歩き回ったけどダメだったな」
「そうか、少しアプローチの仕方を変えた方がいいのかな?」
ダルマは真面目に今後どの様に調べていくか考え込んでいる様だ。
ダルマが考えている間にフィブがオカに近付いて来る。
「オカ、写真をスマホに送っといたから帰りにでも見てみて……」
「ん? なんの写真?」
「それは、見てからのお楽しみ……」
ダルマの写真を大量に送られているなど、オカはこの時知る由も無かった。
すると、プルも事務所に戻って来る。
「全員揃っているわね。それじゃ報告会でもしましょうか」
各自が自分の椅子に座り会議が始まる。
「それじゃ、まずパーク君達からお願いしてもいいいかしら?」
「はい。俺とオカは現場調査をする為被害者が殺された場所まで行きました」
「どうだったの?」
「やはり、封鎖などされて中には入れませんでしたので、俺達は被害者が駅から殺された場所までの道のりで何か証拠が残ってないか探しました」
(かなり、歩き回って疲れたよな……)
「主に、二つのルートがあったので、どちらとも隅々まで何度も往復しましたが、証拠などは何も見つけられませんでした」
パークは地図を広げて、自分達が探したルートを赤ペンでなぞり分かりやすくしていた。
「そうなのね。やっぱり証拠とかの手掛かりは警察が殆ど手に入れちゃっているのかしら?」
「恐らく、そうだと思います。警察以外にも色々な人達が集まっていましたので、誰かが先に見つけた可能性もありますね」
(俺達以外にも同業種的な人やテレビ局など沢山居たからな)
「二人共お疲れ様。明日からも引き続き調査をお願い」
パーク達の報告が終わり、次はヒューズが立ち上がる。
「それじゃ、ヒューズ君達の報告お願い」
「はい。俺達はパーク班とは別で例のメールにもあった出会い系サイトでアケミが実際に居るか調査をしました」
(アケミか……)
「結果から言えば本日はみつかりませんでしたので、明日も引き続き探したいと思います」
「どんな感じで探したのかしら?」
「まず、例のメールでも出て来たエブリデイと言うサイトにダルマ君の写真で登録しました」
ヒューズの言葉を聞いて、オカが吹き出す。
「オカ、後で登録した写真見せてあげるね……」
「頼む、めちゃくちゃ気になる」
「お前ら、ヒューズさんが報告中だ!」
ダルマは恥ずかしいのか顔を赤くして、オカとブィブを注意する。
「ふふ。フィブちゃん後で私も見せてね?」
「俺もみてぇー!」
「うん……」
全員がダルマの写真を気になっている様だ。
「はは。それから、まずは関東に絞って探しましたが、見つける事が出来ませんでしたので、明日からは他の県に絞って探してみます」
「なるほど。分かったわ明日も引き続きよろしくね」
「はい」
こうして会議が終わり本日のパラノーマルとしての業務が終わった。
「それじゃ皆んな明日もよろしくね」
「「「「「お疲れ様でした」」」」」
終わった途端にヒューズとダルマ以外は直ぐにフィブの周りに集まった。
「ブィブ、さっき言ってたダルマの写真見せてくれよ」
「俺も、見てぇな」
「ふふ。ダルマ君がどんな感じで写っているか気になるわ」
フィブはコクリと頷くと自分のパソコンでエブリディのサイトを開き始める。
「ヒューズも認める程の自信作……」
「フィブちゃんが撮ったの?」
「うん。いかにダルマをカッコよく撮れるかを追求した……」
少しドヤ顔になりながら、ブィブはマイページのプロフィール欄をオカ達に見せた。
「これがダルマのプロフィール写真……」
フィブが写真を見せた瞬間、オカは笑い出す。
「あはははははは」
「おい、オカ! 笑い過ぎだろ!」
「ごめん、ごめん……ブッゥ!!」
笑いを我慢したオカだったが我慢し切れずに吹き出す。
「ダルマ君、素敵じゃない。良く撮れていると思うわ」
「あぁ。俺もそう思う。カッコよく撮れているぜ?」
「ほ、本当ですか?」
オカ以外は皆、ダルマの写真を褒めていた。
「はは、だがら言った通りだろ?」
「はい! 流石ヒューズさんが選んでくれた写真です!」
各自の反応を見ていたフィブが呟く。
「おかしい……オカみたいな反応を期待していたのに……」
「だよな? この写真笑えるよな?」
「うん。爆笑もの……」
どうやら、この六人の中で少数派はオカとフィブだった様だ……
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