第11話
「私はカリンと言います! オカと同じ大学生で今は四年になります。オカの影響でマサオさんに興味を持ちました、よろしくお願いします!」
いつもの完璧な笑顔を振りまいて自己紹介をしたカリンにある男を除いて全員好印象らしい。
「可愛いぜ……」
「ふふ、本気になってしまうかもな」
誰も気付いて無いが、カリンの自己紹介を聞いて、パークとヒューズは心の声が漏れていた。
そしてオカの隣に居るダルマが又しても呟く。
「顔は良いがピッチだな……」
それを聞いたオカは、カリンに対する第一印象は同じ事を思ったなと思い、ダルマに少し共感したのか、先程距離を取った分を元に戻すかの様に距離を詰めた。
そして次にプルが自己紹介を始める。
「プルと言います。今回はマサオさんの都市伝説に興味を持ったのと、仕事としても良いネタだと思い参加しました」
「ほう。仕事ですか?」
管理人のマサオが興味を示した。
「えぇ。私フリーのジャーナリストですので、面白ければ記事などにしようかと」
プルの自己紹介が終わると又もやダルマが呟く。
「アイツ顔付怖いな……。ああいう女は願い下げだな」
どうやらダルマは自分の事を棚に起き文句を言うタイプらしい。
続いてオカと同じくらいの女性が自己紹介の為一歩前に出た。
「フィブ、宜しく……」
フィブと名乗った女はそれだけ言うと一度頭を下げて、自己紹介はもう終わりよ? と言わんばかりに黙り込む。
「え? もう終わりなのか!? もっと自分をアピールした方がいいんじゃないか!?」
パークはフィブに問い掛けるが、無視を決め込んでいるのか話そうとはしない。見兼ねた次の女性が自己紹介を始める。
「私はー、姫っていいまーす」
姫と名乗る女は一言で言えばオタサーの姫だろう。黒髪ロングで清楚な見た目、そして甘い声に仕草が一々可愛らしい。
「マサオさんの都市伝説に興味持っちゃって参加しちゃいましたー! 皆さん宜しくお願いしまーす」
夏だと言うのに、ゴスロリでヒラヒラしたスカートを履いて暑そうである。
「か、可愛い……。アイツは俺の彼女にしても問題無いレベルだな……」
ダルマの評価は高い様だ。
「あぁ、あの子は可愛い……」
どうやらオカも気に入ったらしく、恥ずかしがりながらも、チラチラ姫を盗み見ている。
それを見ていたカリンはとても焦っており、オカとは違う理由で姫をチラチラ盗み見ている。
「オカはあんな感じの子がいいのかな……」
どうやら姫は色々な意味でトラブルメーカーになりそうな存在である。
姫本人も、どうやらヒューズの事が気になっている様で先程から視線を寄越している。
そして姫の隣に居る者達が挨拶をする。
「俺の名前はキング!」
「私の名前はクイーン!」
「僕の名前はジャック!」
キングと名乗る男はメガネを掛けたノッポであった。
「我々三騎士は姫様を守る為に今回参加した。そして俺は三騎士の中で護衛を担当するキングだ、宜しく頼む」
続いてクイーンと名乗った女がキングの横に並ぶ。
「私は姫様の日常的なサポートを担当するクイーンよ、宜しく頼むわ」
クイーンと名乗った女は前髪で目が全く見えない状態の為表情が読み取り難い。
「僕は三騎士の頭脳を司る者。姫様の頭脳担当のジャックです、宜しくお願いします」
ジャックと名乗った男はキングとは逆で、とても小さい男であった。
「な、なんだあの三騎士とか言う奴ら! 姫の彼氏か?!」
ダルマは姫の側に男がいる事にかなり焦っている様だ。
「三騎士とかカッコいいな……」
オカは三騎士に混ざりたい様子である。
「それでは、全員自己紹介終わりましたかね?」
管理人の正男が全員を見回す。
「では、以上12名でマサオさんの聖地巡礼を始めたいと思います。何泊泊まるかは聖地巡礼の進捗次第ですかね」
「正男さん、大体何泊くらいを予定しているんですか?」
プルが正男に問い掛ける。
「何も決めてませんね。特に、面白い物が無ければ一泊で良いと思いますし、何かマサオさんに繋がる事や面白い事があれば何泊でもしようと思っています」
「おー! キャンプとか久しぶりで燃えるぜ!!」
「君は常に暑いね」
それから一同は正男を先頭に歩き出す。
「ッチ、マジで暑いな……、こんな所歩かせるなよ、車くらい用意してろよ……」
「ダルマ君、あまりそう言う事は口に出して言わない方がいいよ」
「え!? あ……す、すみません」
ダルマは誰も聞いてないと思っていたが、どうやらヒューズが隣で聞いていたらしく、注意され顔を真っ赤にしている。
「ダルマさん、車をご用意出来なくて申し訳ない。ですがもう少し歩けば木々が多くなって来るので日陰も出来ますので今よりは涼しくなりますよ」
正男がダルマに気を使い説明してくれるが、ダルマは恥ずかしいらしく、返事をしなかった。
そして正男が言っていた様に道の周りに木々が増えてきて、今では木々に覆われて歩く場所は全て日陰になっている。だが、その分木の根っこや石なども増えてきたので歩き辛くなってきた。
「もう暫く歩きますが、お昼までには村に到着しますので皆さん頑張って下さい」
正男の掛け声と共に一同はとにかく歩いた。
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