第10話
オカ達の少し先で複数の人が居るのが見える。
「それにしても暑いな! なぁ、後どれくらいで集合場所に着く?」
「はは、君自身が暑苦しいね」
三人は歩き続けていると、男二人が居るのが見える。
そして、一人がこちらに気付き笑顔で手を振ってきた。
「はは、君達はもしかしてマサオさんの聖地巡礼の参加者かい?」
顔の整った男がオカ達三人に聞いてきた。
「はい。貴方達もそうですか?」
「うん、さっき着いて駅からここまで歩いて来た所だね」
イケメンは爽やかな笑顔でオカ達に笑いかける。カリン同様、街を歩いていたら大体の女性は振り返って見てしまう程の容姿を持っている。
そしてイケメンの他にも、もう一人上半身タンクトップの筋肉マッチョが話しかけて来る。
「君達も集合場所に行くなら一緒に行こう!」
イケメン同様笑顔だが、こちらの笑顔は暑苦しい。
どうせならと言うことで二人も一緒に集合場所に行く事になった。
「綺麗な女性が二人も居て緊張するな」
イケメンはカリンとプルの方を見ながら言うが、二人共特に気にした様子は無かった。
「僕の名前はヒューズよろしくね」
イケメンのヒューズが挨拶した後に暑苦しい男が話し出す。
「俺の名前はパーク! よろしくな!!」
筋肉マッチョのパークは上半身タンクトップで、自身の身体を見せ付ける服装をして居た。
女性二人には不評らしいが、ある男は違った……。
「いいなー、あの筋肉……」
「え!? オカには似合わないと思うよ……?」
「そうかな?」
「絶対やめてよね……」
オカ達三人もそれぞれ自己紹介が終わり五人は集合場所まで歩き出す。
「へー、君達二人は大学生なんだね、若くて羨ましいね」
「ヒューズさんはおいくつですか?」
「僕かい? 27歳になるよ」
ヒューズが応えると、パークも会話に混じってくる。
「俺もヒューズと同じだ!」
どうやらヒューズとパークはどちらも27歳で同じ歳であるらしい。
それからオカ達五人は更に進むと目的である集合場所に到着する。
すると、そこには既に何人か到着していた。
「お? もう誰か居るぜ?」
「パークはこの距離から見えるのかい?」
「あぁ! 俺の視力は3.0だぜ!」
「相当視力いいのね?」
「プルさんはメガネ掛けているってことは結構悪いのかい?」
「えぇ。裸眼だとちょっと外を歩けないわね」
「はは、その時は僕がプルさんのエスコートをしますよ」
「必要になったら頼むわね」
ヒューズの言葉をプルは軽く流し先を進む。
「オカ、私達学生はちょっとお呼びじゃない感じ……?」
「い、いやそんな事無いと思うけど……」
「ふふ、大丈夫よ。今回の募集では年齢制限無かったし」
「「プルさん……」」
オカとカリンはオフ会という初めての事で緊張していたがプルの掛け声で少し緊張が解れた様だ。
「ふふ、プルさんの言う通りだよ。カリンちゃんだっけ? 君が遠慮する必要なんて全く無いよ」
「あ、ありがとうございます」
「ふふ、照れているのかな? 何か有れば僕に言ってくれれば協力するからね」
「は、はい……」
プルに続いて、次はカリンに対して優しい言葉を掛けるヒューズだが、カリンは戸惑っているだけであった。
すると、一人だけ白髪で中年の40代くらいの男が話し出す。
「ふむ。これで全員揃いましたかね?」
中年の男はメガネを取り出し、掛けてから名簿表なのか、紙を見て名前を呼び点呼を取っているようだ。
「あのおじさんがブログの管理人かな?」
「多分そうだね。俺がずっと見ていたブログを書いている人はあんな感じの人なのか」
「どう、会えた事に感動する?」
カリンは悪戯っ子のような笑みを浮かべてオカに問いかけるが、オカも苦笑いして返す。
「別に有名人に会った訳じゃ無いし感動はしないかな」
「それもそうか」
「でも、人の良さそうな感じの人だ」
「確かにねー」
二人は話していると名前を呼ばれ返事をする。そして全員の点呼が終わると再び中年の男が話し始める。
「皆さん、本日は私が開いたオフ会に参加して頂きありがとうございます。私は管理人の正男になります。村に行く前に皆さんそれぞれ自己紹介して貰おうと思いますので、そちらから順番にお願いします」
「おっす! 俺から自己紹介するぜ。俺はパークだ! 趣味は運動全般! そして特技は運動だぜ」
なんていうスポーツ馬鹿だと自己紹介を聞いていた全員が思っただろう。
続いて隣の男が話し始める。
「お、俺の名前は、ダルマです……。し、趣味はアニメ、ゲームです……。よ、よろしくお願いします……」
ダルマと名乗った男は名前の通り、まるで樽の様な体型をして、とても肥えた身体つきをしていた。そして慣れていないのか目線は常にキョロキョロと動き人と顔を合わせられないようだ。
「ダルマか! 良い名前じゃねぇーか! 何歳だ?」
「25歳です……」
「よろしくな!」
「は、はい」
ダルマはオカの隣に居たのだが、パークに聴こえない程度の声でなにやら呟いている。
「筋肉馬鹿が……。声デケェーんだよ」
それを隣で聞いていたオカは素知らぬ顔でダルマから少し距離を取る。恐らく裏の人格が怖かったのだろう……。
そしてオカの自己紹介が終わり、続いてカリンの番になる。
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