2020/02/09(2)

とある秋の夜、行きつけの飲み屋さんで隣のおじさんと意気投合した。私の地元では隣席の人と仲良くなることはよくある。というか、そういう勢いでおしゃべりすればそうなる。

 そのおじさんは、地元で有名なお菓子職人と言っていたので「ああ、あのお菓子ね」みたいな感じで仲良くなった。

 しゃべっているうちに時間が深くなって、AM3:00頃になっていた。酔いに任せて「次に行こう」という事になった。しかし、時間が時間なので空いているお店がほとんどない。

 そのおじさんは「夜のお仕事帰りの方々が集まるお店がある」という事で、私も興味深々で次のお店に向かった。

 おじさんの言う通り、確かに「夜の蝶」だらけのお店である。やはり、それはそれで聞こえてくる会話がエグい。結構耳を塞ぎたがる話もちらほら。私は少々居づらかったが付き合いと思って暫く普通に飲んでいた。

すると、10分もしないうちにおじさんは「俺、帰るわ」と言い出した。「えー」と内心思ったが、まぁ、こういう店もあんまり入らないから暫く居るかと思って「そうですか?早すぎません?」と聞き返すと「明日も早いから」と返事をした。「そりゃ俺も同じだけど」と思ったが大人の対応で「いいですよ。お疲れ様です」と言って店から出て行った。

おじさんがお金を置いていったかよく確認しなかった私が悪いが、いざその店を出ようとした時、勘定が「はぁ?」みたいな金額になっていた。大して飲んだわけでもないが、時間は多少長かったのはあった。その後そのおじさんとは行きつけの飲み屋でも遭遇していない。皆さんも気を付けましょう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る