第22話 仲良くはなれん気がする

七瀬水玉という、七瀬の妹さんが二日前に合流して。

一日跨いで出発当日の日になった。

その間、水玉さんはこの家に泊まったが.....。

色々な事が起こってしまい。

ハプニングなのだが.....。


その水玉さんが泊まった日、俺達は準備をして出発の用意が出来た。

両親の許可も取れて。

七瀬も取れた様だった。


ただ.....その。

ハプニングが問題だった。

バス停で視線を感じて背後を見る。


そして盛大に溜息を吐いた。

胸を隠す仕草をする、水玉さん。

俺を恨み辛みで見ている。


「.....水玉。そんなにしても仕方が無いでしょ。ゆーちゃんのやった事はわざとじゃ無いんだから」


七瀬も溜息を吐きながら見る。

でもお姉ちゃん!と水玉さんは言う。

この痴漢魔は.....!と呟きながら.....オイ。

何て事を言うんだ。


何が起こったかって?

そうだな.....簡単に言えば俺が水玉さんの風呂の様子を見てしまったのだ。

そして.....平手打ちを喰らった。


だって音もせず、電気が点いても無かったのだ。

いつの間にか風呂に入っている事も二階に居て知らなかったし。

それだったら様子を見るの当たり前だろ。

俺も入ろうとしたんだから。


星の光を見ながら風呂に入るのが好きだとは知らずのせいで起こったのだ。

俺は盛大に溜息をもう一度吐きながら頬を撫でる。

まだ痛みが有るのだが.....。


「.....水玉さん。気を取り戻してくれ」


「嫌です。変態」


「.....」


水玉さんは警戒態勢だ。

もうこれ仲良くする事はダメかも知れんね。

と思いながら盛大に溜息をまた吐く。

そして頬を撫でているとバスが到着した。

それから乗り込んだのだが.....。



「何で貴方が横に座っているのですか」


「.....それはこっちのセリフだ.....何故、この場に座る」


幾ら人が多くて満席とは言え.....右に水玉さんが、左に俺って。

足が疲れていたからと言えど勘弁してくれよ。

同じ様に足が疲れていた様だが.....。

俺は額に手を添えた。


「.....この変態と一緒って.....」


「もー。水玉。いつまで言っているの」


背後に腰掛けていた七瀬が話し掛けてくる。

おお、七瀬。

お前だけが救いだぜマジに。

思いながら額に手を添えて盛大.....ってもう何回めの溜息かなこれ。

そう考えていると突然バスが揺れた。


「うお.....」


「キャッ!?」


そして水玉さんが俺に倒れ掛かってくる。

所謂、俺の膝に膝枕する様な。

水玉さんは目をパチクリして.....真っ赤に赤面した。

それからガバッと起き上がって.....俺を睨む。

何でこうなるんだ!?


「.....貴方.....」


「.....今のは不慮の事故だぞ。お前」


「.....ふん!」


外方を向く、水玉さん。

それから全く話さなくなった。

俺は本日十回めの溜息を吐いて同じ様に反対側から外を見る。

バスは今、この街から離れている。

この街のバスターミナルまで向かっているのだ。


「.....ふあぁ.....」


クソッタレ。

頬が痛い.....な。

もしかして骨が折れているんじゃ無いだろうか。

と思いながら欠伸をする。

そうして十分ぐらい外を見たりしていると.....コツンと肩に何かが乗った。


「.....!?」


「スースー.....」


「.....お、おい.....」


俺は慌てる。

よく見ると水玉さんが寝ている。

背後の七瀬も何時の間にかスースーと寝息を立てて寝ていた。

俺は盛大に十一回めの溜息を吐きながら外を見る。


「.....」


スマホを弄っても良いが.....ゲームをする気分では無いので。

目を閉じてから昔の事を思い出す。

思い出せない過去。

簡単に言えば.....そこだけポッカリ穴が空いている様なそんな記憶だ。


俺は.....思い出そうとする。

自身を救ってくれた人を、だ。

だけど思い出せない。


女性だって覚えているのにな。

悲しい気分だ。

思いながら目を開ける。

バスターミナルの近くだった。

皆んなはバスターミナルに集合している事になっている。


「.....七瀬。水色さん。起きてくれ」


「.....う.....ん?」


「着いた.....の?」


七瀬も水色さんも俺を見ながら目を擦る。

そうだ、と返事しながら俺はバスを降りる準備をする様に言った。

そして.....バスは到着する。


「.....よく寝てたな」


「.....そうだね。何だか用意で疲れちゃって」


控えめに笑みを浮かべる、七瀬。

そして準備を始めた。

それから.....水色さんも寝ぼけながら準備を始める。

俺はそれを見ながら居ると。

バスが停まった。


「.....よし行くか.....ん.....?」


横の窓から外を見るとバスターミナルに皆んなが居た。

俺はそれを見ながら手を振ってから。

そして.....バスを降りる。

それから、よお、と皆んなに声を掛ける。

皆んなは俺と七瀬を見てから水玉さんを見た。


「貴方が水玉さん?宜しく」


「水玉、良い名前だな」


その様に水玉さんに声を掛ける。

水玉さんは少しだけ恥ずかしがりながらも皆んなに挨拶をした。

そして.....水玉の挨拶が終わって聞いてみる。


「.....皆んなと仲良くなれそうか?」


「.....貴方に言われるまでも無いですよ。大丈夫です」


「.....そうかよ」


俺は苦笑しながら七瀬を見る。

七瀬も笑みを浮かべていた。

取り敢えず上手くいきそうだ。


と思いながら.....御白を見る。

御白は.....警戒している。

何だコイツ。


「.....おい。どうしたんだ御白?」


「.....先輩の周りって女の子ばかりですね!!!!!」


「.....」


いや、好き好んでこの状態になっている訳では無い。

頬を膨らませた御白に.....俺は本日、十二回めの溜息を吐いた。

溜息ばかりで幸せ指数0になったとちゃうかこれ。

全くどいつもコイツも.....と思いながら俺は額に手を添えた。

面倒臭い.....。

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家にやって来た少女は美少女です。.....って言うか俺、この少女の記憶が無いんだけど。 アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

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