杉ちゃんとクラウドソーシング
増田朋美
杉ちゃんとクラウドソーシング
杉ちゃんとクラウドソーシング
今日も外は冷たい風が吹いていて、寒い日であった。みんな部屋の中で暖かいものを食べたりして、一日過ごしていた。みんな厚着をして、いなかのひとたちは、のんびり過ごしているのだが、都会の人たちは、なんだか気ぜわしくて、急げ急げという感じで動いていた。
その日、蘭は、特に刺青の予約もなく、のんびりと過ごしていたが、こういう時って意外と悪いことを考えてしまいやすいのであった。暇なときというのは、余り良いものは思い浮かばないらしい。それについて、順位をつけてしまう事は、余り良くないかもしれないが、大概の人は、暇なときというのは、なにか悪いことが思いついてしまう。蘭は、何かいいことないかなあと、暇つぶしにスマートフォンの画面を眺めていた。
「蘭、こんなこと言うのは良くないって、わかっているんだけどさ。」
不意に、蘭の妻アリスがそういうことを言った。
「そんなに暇しているんだったら、刺青だけではなくて、他の商売やってみたらどうなの?その時に応じて態度を変えるのだって、必要なんじゃないかしら?」
「ほかの商売って何があるんだよ。足が悪いのに、働きに行くのは無理だし。」
蘭が、ぼそりとそう言うと、
「もう嫌ねえ。今は、足が悪いなんて理由にならないわよ。足が悪くても働ける環境はいっぱいあるわよ。たとえば、クラウドソーシングってものがあるじゃないの。それで仕事ができるじゃない。」
と、アリスは明るくいった。やっぱり西洋人らしく、新しいものが、彼女は大好きだ。
「なんだよ、そのクラウドソーシングってのは。」
蘭が聞くと、
「だから、インターネットで、不特定多数の人に、仕事をお願いすることよ。クラウドワークスとか、ランサーズとか、サイトはいろいろあるでしょう。そのサイトに登録して、すきな仕事に応募して、全部、インターネットでやり取りするの。だから、会社に行くのも不要だし、そうなれば、足が悪くたって、仕事は出来るわ。」
と、アリスは説明した。
「はあ、そんな便利なシステムができたのか。まあ確かに、会社に行かなくてもいいってのは、便利かもしれないけどさ。お前、なにかトラブルが起きたらどうするんだよ。」
蘭がまた聞くと、
「そんな事、めったにないわよ。嘘だと思うんだったら、一寸クラウドワークスとか、検索してみてごらんなさいな。」
と、アリスはサラリと答えた。蘭は、うーんとため息をついて、急いでタブレットをだして、そのサイトを調べてみた。確かに、仕事の請負というモノらしい。アンケートの募集とか、記事作成とか、いろんな仕事が載っている。大体の仕事は、文書を作成することに特化しているようだ。蘭がよくやる刺青を施術するとか、下絵を描くとか、そういう仕事は、ほとんど掲載されていなかった。
「なるほど。ただ、ただ単に作文を書いて、提出するだけの事か。それじゃ、面白くないな。」
蘭は、ぼそりと呟いた。
「まあ、そのサイトではそうなっているけど、ほかのサイトも調べてみなさいよ。クラウドソーシングは、作文を書くのがすべてではないわよ。」
まだ明るい声で続けるアリス。
「例えば、別のクラウドソーシングのサイトだと、イラストを描くとか、デザインを描くとか、そういう募集もあるらしいのよ。蘭は、日本の伝統的な吉祥文様を描くのが得意なんだから、そのイラストでも描いて、商売してみなさいな。」
「はあそうか、じゃあ、そのサイトはなんという名前のサイトなんだ?少なくともクラウドワークスではないよなあ?」
蘭が聞くとアリスは、
「ああ、ごめん。忘れたわ。妊婦さんが教えてくれたんだけど、手元にメモ用紙がないから忘れちゃった。」
と、あっさりといった。蘭は、いつも肝心なことを忘れてくるよなあと言いながら、もう少しクラウドソーシングの事を調べてみようかと、タブレットをとった。丁度このとき、インターフォンが五回鳴った。
「あ、この鳴らし方は、杉ちゃんだな。」
蘭は、すぐに、玄関先へ行く。
「おーい蘭。製鉄所の留守番係は終わったぞ。早く晩御飯の買い物に行こう。」
やっぱり、この声は杉ちゃんだと思いながら、蘭が、玄関のドアを開けようとすると、
「杉ちゃん、待っている間に僕の紋付迄直してくれてありがとうございました。杉ちゃん、すごいスピードで、着物を縫うんですね。僕もびっくりしてしまいましたよ。」
と、別の人物の声がする。いつもの岳南タクシーの運転手の声ではないな、と蘭は、おどろいてしまった。ちょっと、入り口のドアを開けるのに躊躇する。
「おい、蘭、何をやっているの。早く買い物行って来ようや。入り口の前でたちふさがって、何やってるんだ?」
そういって、杉ちゃんの方が先に、がちゃんと蘭の家のドアを開けてしまった。そこには二人の人物がいた。杉ちゃんと、にこやかに笑った、ジョチさんである。
「あ、どうもすみませんね蘭さん。杉ちゃん、本人はタクシーで帰ると言っていましたけれども、僕が呼び出した用事なので、お礼に小園さんに送ってもらいました。なので、タクシー代は、払わなくて結構です。」
ジョチさんは、そういうけれど、蘭はどうしても、この人物が好きになれないのだった。なぜか、お礼をいう気にはなれないのである。
「まあ、そういう事か。すまなかった。」
とりあえず、そう言ってしまう。
「まあ、それならそれで結構ですよ。蘭さんがどうしても、言えないことは、ちゃんと知ってますからね。」
そういわれて、ますます頭に来てしまう蘭だった。
「其れより。」
わざと話を変えて蘭は言う。
「さっき、僕の紋付迄直してくれてありがとうと言っていたが、あれは、どういうことなんだ?」
「ああ、ただ、読んで字のごとく、直してもらっただけの事ですよ。長年着用し続けたせいで、もう縫製が、劣化していましたから、杉ちゃんに頼んで仕立て直してもらいました。こういうところは、洋服にはできない、着物の良いところではないかと、蘭さんもご存知でしょうが。」
と、ジョチさんはそう答えを出した。
「其れですごいスピードで、着物を縫うといったのか。」
「ええ。そういいました。たぶん、杉ちゃんくらいのスピードで着物が縫えるのであれば、間違いなく和裁技能士一級は取れるのではないかと言ったんですが、僕は称号が大嫌いなのでそんなものは取らないと、笑われてしまいました。」
「まあ確かに、杉ちゃんの和裁の上手さは認めるが、僕も実は資格を取ってもらいたいと思っている。資格を取って、和裁屋として開業すれば、いいのになあとおもえて羨ましい。」
ジョチさんにそういわれて、蘭は、思わずそういってしまった。杉三は、というと、何食わぬ顔で、口笛を吹いている。
「確かにそうですね。それは言えてますよ。僕も杉ちゃんが、着物を縫っている有様を見て、おどろいてしまいました。本人の話によると、お知り合いの方の訪問着を縫ったことがあったそうで。そうなれば、もう一級は間違いないですね。今の和裁技能士試験は、振袖ではなくて、訪問着を製作するようになっていますからね。」
ジョチさんはそんな事を言っているが、蘭は、本当に返答に困ってしまった。波布のやつ、どうしてそんなに、杉ちゃんの和裁の上手さを絶賛するんだろうか。もしかして、杉ちゃん使って、呉服屋でも始めようという魂胆ではないだろうな。波布の事だから、やりかねないことだった。
「まあ、着物というものは、これからも、需要はなくなって、着物を着る人間も、少数民族みたいになっていくんでしょうね。そういう時に、資格があろうがなかろうが、杉ちゃんのような人は、頼りになるんじゃないですか。僕の店で働く従業員にも、着物を着て外出が好きな子もいっぱい居ますからね。彼女たちのためにも、和裁を続けてほしいものです。」
ジョチさんは、そういうことを言っている。という事は、杉ちゃんを使って商売しようという事はないのかなあと思われた。蘭はちょっと安心した。でも、待てよ、とすぐに考え直す。波布のやつ、あの焼き肉屋ジンギスカアンの従業員たちに杉ちゃんの事を、教えるつもりだろうか。そんなことしたら、杉ちゃん、波布の言いなりになってしまうぞ。そうしたら、杉ちゃんが、波布のものに!それだけは嫌だと蘭は思った。
「おう、任してくれ。どんな着物でも仕立てられるから、なにかあったら、すぐに言ってくれよ。ただ、和裁ってのはよ、どうしても、寸法なんかを見なきゃならんから、必ずその女の子たちに会わせてくれよな。」
と、杉ちゃんがそんな事を言っていた。
「ちょっと待て!」
と、蘭は言う。杉ちゃんもジョチさんも、ど、どうしたの?という顔で蘭を見た。
「もっといい方法があるぞ。面と向かって会わなくても、インターネットでやり取りすればいいじゃないか。それをすれば、女の子たちに会う手間がなくなるよ。ほら、どうしても、みんな仕事で忙しいだろうし、新しい負担を強いることにもなるだろう?それじゃ嫌じゃないか。そのために、クラウドソーシングというものがあるんだ。それを使って、話し合いの手間を減らした方が、いいのではないのか?」
「はあ、蘭さんも、新しいものが好きですね。そういうモノは、いまとても流行りで、うちの従業員にもやっている人がたまにおりますよ。」
ジョチさんが杉ちゃんの代わりに返事をした。
「だけど、そういうモノは、コラムの記事を描くとか、そういう仕事でしょ。和裁となんの関係があるんですか?」
「いや、そうじゃなくてね。」
蘭は、しめたと思って、こんなことを言いだした。
「実は、得意を売り買いするスキルのフリマと呼ばれているクラウドソーシングもあるんだよ。それを調べてみたら、着物の着付けを教えるとか、着物の種類を伝授するとか、結構着物に関するサービスも商品として、売る人も数多くいるんだ。だからそれに投稿して、やり取りは、そのサイトのメッセージでやり取りすれば、無駄な外出も必要なくなるじゃないか。」
「そうですか。でも、いくらネット社会になっても、出来ないものはできないサービスもありますよ。和裁とかそういうモノは、その典型じゃありませんか。」
蘭がそういうと、ジョチさんはそう返事を返した。蘭は一応、杉ちゃんにどうかと目くばせしてみたが、
「何を言っても、そういうモノは手を出さないよ。僕は、文字は読めないし、そういう文字だけのやり取りよりも、ちゃんと人間とやり取りしたいのでな。」
と、カラカラと笑われてしまった。蘭は、余計に腹が立った。
「そういう事なら、僕がちょっとクラウドソーシングで何かサービスをしてみるよ。そうすれば、今のインターネット社会のすばらしさがわかる事だろう!」
「まあ、どうせあてが見つからなくて、何も収穫は得られないだろうがな。ま、すきにせい。僕らは僕らで、やればそれでいいのさ。」
蘭が選挙演説するように言うと、杉三は、バカにするように言った。蘭は、そういわれてしまうと、全く杉ちゃんという人は、と腹が立つというか呆れてしまうのである。
「まあ、いいじゃないですか。事業をするかしないかは、今は誰かの自由ですしね。ただ、向き不向きはあるとは思いますけどね。商売するには、それをわきまえておかないといけませんけど。じゃあ、僕は、かえりますが、お買い物、楽しんで行ってきて下さい。」
と、ジョチさんは、にこやかに笑って、小園さんの車に戻っていった。蘭は、其れを憎々しげに見つめるのだった。
杉ちゃんと、手短に買い物をした後、蘭は、急いで家にもどって、パソコンを立ち上げる。まさかサービスに杉ちゃんを使うという訳にはいかない。そんなことしたら、波布に笑われてしまう気がした。先ずは、自分でサービスを作ってしまわないと。蘭はちょっと考えて、クラウドソーシングのサイトを開き、自分のアカウントを適当に作って登録した。一応学歴は、大学院卒と正直に書いておく。サービス名には、イラスト描きますと入力する。特に、日本の古典文化にまつわるイラストが得意です、と自己紹介欄に入力した。そして、今までに描いてきた下絵の一部を、参考までにと思って、挙げておいた。サービス料は、格安で500円とする。これで、マイページは完了だ。あとは、誰かがやってくるのを待つだけだ。
そうやって、ページを立ち上げて、三日たった。でも、ページは何も更新されなかった。蘭は、来てくれと催促できないので、そのまま待って居るしかなかった。
ふと、窓の外を見ると、一台のワゴン車が、隣の家の前に止まっている。いつものワゴンタイプの岳南タクシーとは、車種は同じだが、色が違っていた。新しいデザインが出たのかなと思ったが、どうも、岳南タクシーではないらしい。ちょうど、お客を乗せ終わったところらしく、運転手が、スライドドアを閉めていた。ベレー帽をかぶった老人だ。まさかタクシー運転手がベレー帽をかぶるという事はないよな、と蘭は思い直した。誰だろうと、考え直していると、
「はい、よろしいですか。じゃあ、いきますよ。」
と、運転手は聞きなれない声で言うのであった。その声は聞き覚えがある。あの、波布が運転手として使っている小園さんだ!小園さんはめったにしゃべらない人であるから、その声はとても印象的なのだった。
「おい、ちょっと待て!」
と、蘭はその車に話しかけた。
「どこへ連れて行くんだ?」
滅多にしゃべらない小園さんであるが、蘭には言った方がいいと思ったのだろうか。後ろを振り向いて、
「はい。うちの店で、着物の仕立て直しを依頼した、従業員がいたんです。」
と、だけ言って、車を走らせてしまった。車は、ナンバーから判断すると、レンタカーであった。たぶん、そこらへんにある、格安レンタカーで、借りてきたのだろう。
それにしても、杉ちゃん、もう客を見つけてしまったのか。それをむずびつけたのは波布だろうか。こっちも何とかして、客を見つけなければと思うのだが、蘭のパソコンには、一件も問い合わせが入ってきていなかった。
あーあ、と蘭は、パソコンの前でため息をつく。どうしたら客が来てくれるものだろうか。一応、大学院卒とちゃんと経歴は書いたし、ドイツの美術学校へ留学したこともあると書いたのに。
一方、杉ちゃんの方は、焼き肉屋ジンギスカアンの個室の一室で、せっせと着物を縫っていた。店の従業員の若い女の子が、それを期待の目で見ている。
「ずいぶん、可愛い着物をお持ちなんですね。」
ジョチさんは、彼女に言った。
「ええ、リサイクルショップで安売りしていたものなんですけどね。ちょっと、サイズが小さくて、着れないかなと思っていたんですけど。」
と、にこやかに彼女は言った。
「そうですか。確かに、着物はちょっと仕立て直せば着られるようになりますよね。サイズだって、一寸、仕立て直せば、すぐに着れますよ。」
ジョチさんが相槌を打った。
「ほら出来た。布を継ぎ足したから、ちょうどいいサイズになったぞ。これなら、お端折りも作れると思うよ。ちょっと、服の上からでいいから、着てみてくれないかな。」
杉三は、最後の玉結びを結んで、糸を切った。彼女は有難うといって、その着物を受け取る。赤い正絹の訪問着。随分可愛らしい感じだ。彼女は、その着物を服の上から着用した。ジョチさんが、腰ひもを彼女に差し出した。彼女がその通りに腰ひもをつけると、ちゃんとお端折りもしっかり出られるほどの身丈になっていた。
「おう、いいじゃないか。もし、継ぎ足した布であるのがばれるのが嫌だったら、帯で、お端折りを隠してしまうか、羽織で隠してもいいからな。」
と、杉ちゃんは、にこやかに笑った。大きさを確かめると、彼女は再度、着物を脱いで、丁寧にたたんだ。
「それじゃあ、杉ちゃん、修理代として、何円払えばいいのかしら?これだけ直してくれたんだから、一万円くらいかしら?」
と、彼女は財布を取り出すが、
「要らないよ。そんな大金。そんな大金貰っても、しょうがないもの。」
と、杉三はカラカラと笑った。
「そんな事言って、杉ちゃん、あなたは欲がないんですね。これだけやったんですから、何かお礼をされるのは当たり前でしょうが。何も請求しないなんて、ちょっとおかしいですよ。」
ジョチさんがそういうと、杉ちゃんはちょっと頭をかじって、
「そうだなあ、金をもらっても、ほしいものは材料費くらいあればそれでいいからなあ。糸と鍼が帰ればそれでいいよ。一万なんて貰いすぎだよ。僕、使い道がよくわからない。」
といった。
「じゃあ、五千円ぐらいという事にしておきますか。一万は貰い過ぎなんて、杉ちゃんも、考え直した方がいいですよ。」
と、ジョチさんにそういわれて、彼女は杉ちゃんに五千円を払った。本来なら、領収書を書かなければならないが、杉ちゃんはそれができない。しかたなく、ジョチさんに代筆してもらって、領収書を書いた。
「ちょっと待て、領収書に、どうもありがとうと書いてくれ。」
と、杉ちゃんが言うので、ジョチさんは、領収書に有難うございますと書き加え、彼女に渡した。
「ありがとうございます。他にも、着物を直してほしいという人はいますので、彼女に紹介してもよろしいですか?」
と、彼女は言った。
「おう、なんぼでも紹介してな。唯のバカに直してもらうことをお忘れなく。」
と、杉ちゃんは言うが、杉ちゃんという人は、本当に腕が立つなとジョチさんは思うのだった。これで、インターネットを媒介にしたら、きっとすごい売り上げが期待できるのではないかと、商売人として思うのだが、杉ちゃんはそういうことは好きではないだろうな、やってはいけない、と考えなおした。
一方、蘭は、自宅内のパソコンを相手に、ひたすらプロフィールを練っていた。学歴を売りにできないのなら、何があるのだろう。それ以外に、自分の自慢すべきことなどどこにもない。蘭は、参考として出している下絵の画像を眺めながら、自分の描いた絵はどこが悪いのか、また考え直さなければならなかった。インターネットは、ただ出しておくだけの世界だ。それに対して、口で感想を言っても通じない。つまり、面と向かって、感想を言い合う事や、そこから派生して仕事が生まれるという事もない。ただ、その事物があって、それに対して、代金が支払われるだけの世界なのである。
杉ちゃんの方は、ジョチさんや、店の従業員の女の子を相手に、着物の話を語って聞かせていた。着物の種類の事、訪問着と付け下げの違いの事、作る立場から、違いを明示してくれているので、杉ちゃんわかりやすいね、と、店の女の子は、にこやかに言った。杉ちゃんは、それにれることもなく、おごったような雰囲気があるわけでも無く、淡々と着物の種類を話していた。今度はぜひ、そういう着物文化についての講座でもやってほしい、なんて店の女の子は言っていたが、杉ちゃんには、そういうことは出来やしなかった。
杉ちゃんの家にも、蘭の家にも、穏やかに青空がかかっていた。青空は、いつもと同じ、いつもと変わらなかった。
杉ちゃんとクラウドソーシング 増田朋美 @masubuchi4996
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