何かを待っていたような気がするのだけれど・・・

南区葵

何かを待っていたような気がするのだけれど

「何かを待っていたような気がするのだけれど、それはきっともう終わってしまっていて、僕はこの気持ちを、これからきっとずうっと持ち続けるんだ。」


「でも、君、人の一生というのは百年足らずか、なんなら五十年ばかりで終わってしまうものなんだよ。それを考えれば、僅かばかりの辛抱じゃあないか。」


「あぁ、君はどうしてそんなことをいうのだろう。ねぇ、君は今までで、少しでも人生という大局観をもってして、感情的な事柄に対する気をそらすことができたかい。」


「ああ、できたさ。 ・・・君は難しく考えすぎなんだ。ねがてぃぶなんだよ、君は。」


「僕はね。あえてねがてぃぶでいるのだよ。・・・君は楽観的過ぎる。おのが行動が身を為すのだから、何についても熟考は必要なんだよ。ねえ、君は楽観的だが、僕が言いたいことを分かってくれるくらいには冴えた人間だろう。 僕は不思議でたまらないんだ。なぜ君のような賢い人間が、その・・・。」


「簡単な話だよ。その方が、人生がずっと楽しくなる。それだけだ。」


「でも君、今までそれで不利益を被ったことも一度や二度なんてものじゃあないだろう。嫌にならないかい。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

何かを待っていたような気がするのだけれど・・・ 南区葵 @aoi3739

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る